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Posted by ブクログ
害虫防除のために化学薬品を使うことによる生物濃縮の恐ろしさをたくさんの実例とともに説明する前半。 後半は人間への影響の出方とその他の防除方法について。今の科学ではどう解釈されているのだろう?と思うところがいくつか。たとえば、読み間違えているかもしれないが、化学物質が染色体異常を引き起こすことから、白血病、小児がん等への影響を示唆している点。また、外来種に対して天敵を連れてくることで自然に悪影響を与えず防除することや、雄を不妊化させる薬品の使用を比較的肯定的に書いている点。現代視点での解説を読みたい。
Posted by ブクログ
人間の快適さや農業のため、人類は除虫、除草のための化学薬品を開発した。最初は効果が上がるものの、これを上空から撒くことで、ターゲット以外の植物や水に、DDTなどの有害な化学物質が残り、その地域に生息する鳥や動物が死滅するなどの被害を及ぼす。
しかも、虫は毎年現れるため、繰り返し何度も使ううちに、目的の虫には耐性ができる上、有害物質はその地域に蓄積されていく。
今でこそ化学薬品の怖さは一般的にも知られているが、この本を1950年頃に出して、問題を指摘し、人類に警鐘をならしたレイチェル・カーソンは凄い。
一方で、化学物質の危険性は認識しつつも、今も農薬など身近なところで多用されている。個々の食品や虫除けなどの商品での使用量は基準の範囲内だとしても、日々、沢山のものを口にしたり、触れたりしている私たちの体内には、知らず知らずのうちに毒性の高い物質が蓄積されているんだろう。
個人で気をつけられる範囲を超えた問題だとは思うが、最近は無農薬農法にこだわる人も増えている。一人一人がそうしたことにもっと関心を寄せることで、危険性が少しでも減らせるのだと信じたい。