【感想・ネタバレ】農的な生活がおもしろいのレビュー

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Posted by ブクログ 2016年05月11日

タイトルからすると「農業しようよ」みたいな感じがするが、考察はそれを超えている。

多くの人が社会の中で居心地が悪くなっているが、それは自己責任の範囲を超えた事象なので自分をいじめることはない。
ひとつの事をコツコツ取り組むことが評価された製造業の時代が終わり、都市的消費文化への憧れも少なくなった今...続きを読む、社会の構造が変わってきていることに気づき、自分なりの対処法を考えることが必要だ。
多能工それは現代版の百姓ともいえるが、活躍の場は農業に限らず、生きている実感のあるコミュニティ形成と生業のありかたを変えていく動きだ。
(親・祖父母・曽祖父と時代によって社会の価値観が変わっていっていることに気づかせられる)

【背景】
個性化が言われるようになったのは、大量生産による消費が行き渡って、消費が個人を単位とするものに変わったからだ。つまり、消費社会を維持するために取られた価値観の変換に大衆が乗せられた。個性の判断は他人によって評価されることから、相手の感情に合わせる働き方が求められ、今すぐ成果を出すことが必要な社会。それは自己本質を一定にとどめることができない・・・とても疲れやすい社会だ。高度成長期に見られた社会の画一性と均一性は崩れ、現代は多様に存在するレイヤー(層)が広がり、社会制度が機能不全に陥ってきた。個性化はかえって異質なものを排除しようとする動きにすらなる。社会の「溜め・バッファー」がなくなる反面で新しいネットワークを作り出す動きが起っている。

社会を静かに、深く変えていくあり方とは何か?

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Posted by ブクログ 2021年10月21日

戦後の日本社会の変遷、大量生産の工業社会から個人化した消費社会への大きな流れ、が読みやすく俯瞰的に振り返られていて頭の整理になった。ひとつひとつは知っている出来事がストーリーとなり意味を持って捉え直すことができて面白い。
その大きな変化の中で社会が機能不全をおこしていたり人間は生きづらさを抱えていた...続きを読むりして、ひとつの解決として、著者が関わる里山プロジェクトが紹介されている。過疎化に悩む中山間地区とそこに新しい生き方を求める若者のプロジェクトからは新しい時代を感じられる。
タイトルから、農的な生活そのもののディテールが書かれているものと期待したが本書にそれはない。が、いい意味で期待が裏切られるのは読書の楽しみだ。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

"この本を手に取ったとき、私は都会のサラリーマンやフリーターが農村で暮らす体験談だと思っていた。
この本は、社会学とでも言えばいのか・・
現代の雇用環境、行政の対応、若者の心理などを俯瞰するところから始まる。
名古屋で取り組んでいる里山プロジェクトが軌道に回るまでで話が終わる。

SF映画...続きを読むで描く未来は、高層ビルが乱立して、空中を移動する乗り物があり、ロボットが身近にある都会的な未来図が多い。でも、現実はそうはならないかもしれない。日本国内のみで考えると人口が1億超えている今から半分になる時代がくるといわれている。
今の半分の人口でこの国をどう運営していくのだろう。国家予算をみても借金が増える一方。経済成長が永遠に続くとは思えない。社会保障が削られ、行政のサービスも今のままではいかなくなる。なんだか悲観的な雰囲気になりそうだ。
しかし、昔の山村では回り近所で助け合って生きてきた。こう書くと貧乏生活を覚悟しろといっているようだが、そうではなくて、豊かな生活だってできるはず。そんな未来の一端を見せてくれている気がした本だった。"

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Posted by ブクログ 2015年01月31日

自分はこんな生き方はできないが。
そんな生き方もあると気づけたのは良かった。
就活の悩みが少し軽くなった。

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Posted by ブクログ 2023年01月14日

タイトルから農村での暮らしの紹介を期待するが、本の大半を社会構造の変化の説明に費やされており拍子抜けする。文章も学者の書くそれで、読みづらさを感じた。
要するに大量生産消費の時代から個人消費の時代に入り、社会構造の変化に適応しきれていないため、様々な社会問題が生まれているということであった。
これま...続きを読むでの成長が約束された社会ではもうなくなっているので、変化を恐れずに自分の興味に従って生きなさいと言う応援のメッセージを受け取った。

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Posted by ブクログ 2016年08月28日

農業というより百姓というワークスタイルのすすめ。大学教授(著者)ならではの考察だが、前半の社会問題の分析は長すぎ。

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Posted by ブクログ 2015年06月18日

著者が大学教授だからか、社会構造の分析の記述が長く、現代での農村生活についてをしっかり読みたい人には前置きが長すぎかも。

著者の関心はスローライフやカントリーライフというより、消えかけている「百姓」というワークスタイルに向いている。
(いいとか悪いとかでなくて)

以下の一文に端的に表れているかな...続きを読む


『(都会で)狭いアパートに住んで、毎月の給料でかつかつの生活をしている。なのに、田舎を出ていってしまう。これはもう、ある種文化的な問題、つまり近代的な意味における都市生活へのあこがれのようなものではないか。そういう曖昧なものが、人を動かしてしまっているのではないか』

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