あらすじ
「狩猟採集し、貧しくとも平等に集落生活を営む日本人の起源」――学校ではそう教わったはず。だが本当は、戦後、発展段階史観により政治的に作られた歴史概念だった?……。曖昧で多様な時間的・空間的な範囲、階層性を伴う社会構造、さらには独自の死生観、精神文化まで、最新の発掘考古学から見えてくるユニークな「縄文」の真の姿。 ※新潮選書に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
昭和24年生まれの私が習った時代の縄文時代の記述と、戦後続々と発掘される縄文遺跡の数々。どんどん、新たな考え方、学説が続出している。
そういう経緯を踏まえ、縄文時代とどう付き合っていったらいいのか、著者が、素人が一定縄文時代、縄文文化に接するときの情報整理をしてくれた本ということにいなる。
内容だが、
第1章 縄文時代はどのように語られてきたのか
第2章 ユートピアとしての時代と階層化した社会の
ある時代
第3章 縄文時代・文化をめぐる諸問題――時空的範囲
第4章 縄文のキーワード――定住・人口密度・社会複雑化
第5章 縄文時代の死生観
おわりに
日本列島という大陸から乖離したところで、世界史上でも稀有な歴史を重ね積み重ねた所謂縄文時代。
縄文人が残してくれた「モノ」からその精神文化を我々日本人が未来に向かってどう生かしながら歴史を積み重ねていくのか、今後の研究の成果に期待したいものである。