【感想・ネタバレ】夢顔さんによろしく(上) 最後の貴公子・近衛文隆の生涯のレビュー

あらすじ

【第13回柴田錬三郎賞受賞作】「夢顔さんによろしく」――遠くシベリアの収容所から届く謎に満ちた手紙。送り主は名門近衛家の嫡男、文隆。アメリカ留学で華やかな青春を過ごし、上海で美しき中国人女性との恋に燃えた青年貴族。彼は日中戦争を終結させるべく必死の和平工作に臨むのだが、やがて過酷な運命に巻き込まれ……。知られざる貴公子の生涯を描くノンフィクション・ノベルの最高傑作。

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Posted by ブクログ

 旧華族の一人、戦中の近衛内閣の長男文隆を通して、華族の一流づくしの恵まれた生活とともに、政治の裏側を見せてくれる。政治の核の中で、戦争拡大に猛進していったばかりではない人びとの存在を知った。実在人物を通してその時代知る楽しみでもある。昭和初期日本での豪邸くらし、アメリカでの放蕩息子ぶりから社交界との繋がりはおよそ想像し難いほど、一般人からかけ離れている。このアメリカで培われたその国際感覚が文隆の魅力をましている。  上海の東亜同文書院がこの文隆の祖父であったこと、ゾルゲ事件の尾崎氏やゾルゲとも交友があったりと、歴史の当事者に近い目線がこの時代をよく知らしてくれる。

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2013年02月16日

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