あらすじ
15年前に文学賞を取ったきりの自称作家の良多。今では「小説の取材」と言い訳をしながら、探偵事務所で働いている。現実を見ようとしない良多に愛想を尽かし、出て行った元妻。父親に似ることを恐れる真面目な11歳の息子。そして、46歳の良多を未だ「大器晩成」と優しく見守る母親。そんな元家族が、ある台風の夜を共に過ごすことになり……。
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Posted by ブクログ
主人公の良多のギャンブル好きはもうどうしようもない。常にお金に困っているから、実家から父の遺品を盗んで質に持って行ったり、最低な行動ばかり。
でも良多のことを100%は憎めない。最低なんだけど、人間味があるからかな。別れた妻の交際相手に嫉妬したり、息子の前では見栄を張ってみたり。
良多を見守る母親や、職場の後輩の存在がとてもいい。それから台風の真夜中に公園のタコ型遊具の中でお菓子を食べる、というシチュエーションにはワクワクしました。良多の息子、この夜のことはきっと一生忘れないと思う。