あらすじ
彼の兄との、愛なき結婚──すべては小さな命を守るため。
妊婦のスターリングは、慌てて自宅から逃げだした。おなかの子の父親であるオマールは、1週間前に交通事故で帰らぬ人となった。そしてたった今、彼の厳格な兄、バクリ国王のリハドがこちらへ向かっているとの情報を耳にしたのだ。目的は明白だ。王家の血を引くこの子を奪うつもりでしょう?未婚の母から生まれた王位継承者をリハドが認めるはずがない。そもそも彼は信じないだろう。弟が生涯隠し通した秘密も、スターリングが清らかなバージンであるということも。
■祖国を離れ、年若い愛人のスターリングと長年暮らしてきた弟が突然亡くなった──リハドはそう信じていました。ところが彼女から驚愕の事実を聞かされ……。息もつかせぬドラマティックなロマンス!
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Posted by ブクログ
弟の残した子どもを嫡出子とするため、愛のない結婚をした国王が真実の愛を見つける物語り―。
と、書けば男性目線の話かと思われるかもですが、そうではありません。
ヒロインのスターリングは砂漠の国の王弟と同棲し、男を堕落させる悪い女としての評判がついて回っていました。彼女はその王弟オマールの愛人ということになっていたのですが、その裏には実はオマールが同性愛者で、スターリングとの間の子どもは体外受精で授かったという恐るべき事実が隠されていました。
オマールの兄王リハドは弟の名誉と弟の残した遺児のめに、スターリングと結婚。彼女は「王妃」となりますが、実は惹かれ合っている二人ともになかなかその事実を受け容れられずに、すれ違いが続きます。
結果はハッピーエンド。
幼い頃、里親から惨い仕打ちを受けて人間を信じられなくなっていたスターリングの心をついに夫となった王が大らかな愛で包み込みます。
情熱的でありながらも、優しい読後感の素敵な作品でした。