あらすじ
〈毎日、御馳走が食べ放題〉という好条件でフランス料理店の娘と結婚した主人公。有頂天になったのも束の間、彼に魔の手が迫ってくる(フォアグラ殺人事件)。そこで酒島警視と人妻探偵・鮎子という楽しい食通(グルメ)コンビが殺人事件に挑戦を――。他に贅沢な素材を香辛料のミステリーで調理した8編を盛り込んだ御馳走連作推理集!(『デリシャス殺人事件』改題)
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Posted by ブクログ
昔の本って、なんか日本語がみつみつしてて
いいなぁ〜。
そして82年の本なのにグルメ情報が凄い。
生フォアグラにモンラッシュ、シャトーオーゾンヌやらからはじまり
すき焼き、ジビエ、寿司に北京ダック、
鮎、カレー、ちゃんこにチーズフォンデュと
一部は当時の読者が絶対知らなかっただろう
かなりなグルメをテーマに
博識で紳士な警視と上品で味のわかる人妻と
とにかく充実感が良かった!
ネットも、雑誌特集もない時代にこれだから
著者は相当なグルメだったんだろうな。
今みたいに私ですらそれっぽいものを
食べられる世の中にはない
素直に凄いと思える本だった。
こんな人と知り合いになって
色々教えてもらいたいといつも思う…
美しい描写
著者の別名義のえっちい小説のときのような力の抜けた語り口も多いのですが。
鵜飼いのシーンなど、美しい描写があり、やはり芥川賞作家だなと思わされます。
出てくるお料理はある程度は現代でも食べられそうですが。
ワインは特級畑があたりまえといった感で真似するには相当な資金力が必要です...
鮨の事件では、高級鮨がおまかせなのがほとんどになった現代は客に優しくもあるなあと気づかされました。
おこのみで注文していた時代ならではのお話ですね。