あらすじ
守る。スコープが切り取る、この世界を。
死者が蘇り、生者を襲う――。
ある都市を起点に発生したその現象は、またたく間に世界全土へと拡散した。
蘇った骸――彼らの名は〈レヴナント〉。
生者への強烈な殺戮本能を持ち、視界に収めたあらゆる兵装を複製する、生ける屍。 地球は今、掛け値ない地獄と化していた。
それに抗するは、人類の新たなる希望――通称〈埋葬官〉。
レヴナントの能力を模した特殊兵装〈エミュレイター〉を駆る執行者。
かつての失態によるトラウマから、スコープを覗けなくなった元エーススナイパーの主人公・円吹芽は、〈エミュレイター〉の原点となった特殊兵装を身に宿す少女・ザイシャとの契約を果たし〈埋葬官〉の一員となる。
しかし彼が手にした新たな『力』は、今や扱うことすら叶わぬ――白亜のスナイパーライフルであった。
無力な少年が持て余す、強大な武力。
救う力を得たはずなのに、人々の命は掌で掬った砂のように零れて消えてゆく。 果てしない無力感と、加速していく戦いの中で、少年は自らが為すべき使命を再び瞳に捉える。
近未来アーミーアクション、始動!!
イラストは、気鋭のイラストレーター・まごまご氏が担当!!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
終末世界で蘇った死者『レヴナント』と、それに抗う人間たちの物語。
主人公は自分の失態で撃てなくなった狙撃手。そんな主人公の前に現れたのは、かつて主人公の母親と行動を共にしていた狙撃銃を象る少女の姿をした兵器だった。
設定自体は面白いし、何より狙撃手が主人公が斬新なところ。狙撃手としてのあり方、戦い方、迷いなどは分かりやすい。若いながらも的確に狙撃手としての能力を発揮する主人公は素直に凄いと思った。
あまり快く思っていないのは、主人公の自己犠牲精神とか偽善者っぽいところ。
目についた全員を助けるとか、誰も死なせたくないとか、そういう甘ったれた思考回路はあまり好きじゃない。狙撃手なら淡々と敵を撃破してナンボじゃないのかなとは思うばかり。とはいえ、主人公がこうでなければ読者は共感しないんだろうけど。
もう少し、主人公が狙撃手として淡々と仕事をこなすところが見たかったな。