あらすじ
今、病院では「患者格差」が起きている!? なぜ日本には“お医者様”任せの患者がこんなにも多いのか。「米国No.1」といわれるテキサス大学MDアンダーソンがんセンターに勤務し、自身もがんにかかった現役医師が教える、最善の医療を受けるための心得。
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Posted by ブクログ
亡くなった父のときもそうだけど、上手に医療サービスを受けるというのはなかなか難しいものだなと思いつつ、今度は母のことでいろいろと医療関係の情報を調べたりしている中でたまたま見つけた本。以前から専門サービス(プロフェッショナルサービス)や技術サービスを研究したこともあって興味を持って読んでみた。
この本を要約すれば、プロフェッショナルサービスにおける情報の非対称性がなくなっているからこそ、自ら調べて考えて医師と対等に患者として議論して自分にベストな治療選択をしましょう、という趣旨に思える。確かに家電製品などを買うときは情報を得て比較検討したりして買うのに、医療においては(多分法律や金融のサービスもそうだと思うが)サービス提供者側の医師の言いなりになってしまう。それは医師にも患者にもよいことではない。確かに私も技術サービスを研究してきたときに専門サービスのマーケティングなどを勉強する中で感じたことだ。大学の友人と話をしたことがあり「顧客力」がキーになると彼女は言っていたが、全くその通りと思っている。ちなみにこの本では同じ意味で「患者力(patient empowerment)」という言葉を使っている。
筆者はアメリカの病院に勤務されていることもあってより感じるのだろう。どんどん医師に質問してよりよいサービス提供を受ける意識の高さはアメリカの方が個人主義的で合理的な選択をする習慣があるという背景もあるのだろうとのこと。今はだいぶ日本人も変わってきているかもしれないが意識した方が良い点かもしれないと思った。特に高齢者は医者に対して過剰なまでに信用しているところもあると思う。私の母も疑う力が足りなかったためにつらい状況になってしまったので、何とか協力してより良い方向にもっていけたらと考えている。
技術の世界も最先端の技術に対して面倒なことは専門家のいいなりで結果論だけで儲かったかどうかだけでサービス提供者側に苦言を言ってくるという状況もあったりする。様々な業種、分野で知識が創造されて、社会実装が進む中でどのようなスタンスで自分に起きた課題と向き合っていくべきかという点でがん患者と医療サービスというのは最高のケーススタディになると感じた。仕事としての学びもあるし、生活としての学びも多い本だと感じた。
役立ちました
母の乳ガン治療の時に読んで、とても役立ちました。
治療法を提示された時に聞くべきこと、優先すべきことなど、乳ガン治療以外でも役立つと思います。
Posted by ブクログ
テキサス大学のがんセンターの教授を務める著者は、自身もがんを経験して狼狽した。
その経験や、日米の診察風景の違いから、医療者側でなく、受け手である自分の体を治すという「患者格差」を実感した。
医者任せにせず、自分の病気を自分で知り、納得するまで質問する。ネットで調査し、メモを取り、薬をのむ理由を理解する。説明上手になる。他に考えられる病気はあるのか。
何でも医者まかせの「三流患者」と自分が主体の「一流患者」。たとえ病気になっても、自分の行動一つで、受けられる医療は大きく変わると、患者力を高める本。
Posted by ブクログ
自分の体について、無知すぎる。お薬手帳をつけるところから。確かになーということがたくさん。物を買うときはこれでもかってくらいに比較、検討してから買うのに、一番大切な自分の体のことになると、お医者様まかせ。それが正しいはずがない。自分の人生は自分で決める。
Posted by ブクログ
医者である著者ががん患者になった経験を活かし、一流患者から三流患者までを綴った一冊。
自分で主体的に調べ、セカンドオピニオンを有効活用する一流患者に対し、自分の症状さえ説明できずクレームばかり付ける三流患者もいることを知った。
そして自分も三流患者にならないように気を付けようと思った。
Posted by ブクログ
■日本では主治医制のもと,最初にかかった診療科の医者の権限が非常に強くなる傾向にある。最初に外科で診察を受けた患者はどうしても手術をメインにした治療に傾きがち。ない香苗ら抗がん剤治療というように何がベストの治療かということよりも最初にかかった診療科が治療の方向性に大きく影響してくる。
■大切なことはWHYを常に問う姿勢。
・なぜこの病名なのか。なぜこのように診断したのか。
・なぜこの薬を出したのか。
・なぜこの薬が効かなかったのか
■エビデンスレベル
①無作為比較試験
②症例対照研究
③患者調査
④専門委員会や権威者の意見,症例報告