あらすじ
人間を襲うよう調教されたカラスの群れ。気鋭の動物行動学者・美紀と刑事・松岡はそれを食い止めようとするが、群れはやがて大学キャンパスを襲いはじめる。人食いカラスの襲撃に、人間のなす術はあるのか。
※本書は電子文芸誌「GEN‐SAKU!」で二〇一一年四~一〇月に連載された「レイブン─漆黒の悪魔─」を大幅に改稿し、改題したものが底本です。
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Posted by ブクログ
近所の古書店で100円で売られていた文庫本。
角川ホラー文庫には何度か煮え湯を飲まされているので全く信用して
いなかったのだが・・・。
・・・いや、コレはリアルに怖かった。というか、恐ろしすぎる。
カラスを使っての殺人を企てた男に人間を狩る方法を伝授された大カラスが、
自らの群れを率いて次々と人間を襲う、という物語。しかもこの大カラスは
殺人に適するように交配されたワタリガラス(大きさ)とハシブトガラス
(知能)のハイブリット。猛禽類をも凌ぐ性能と知能を兼ね備えた究極の
邪鳥である、という設定が、凄まじいまでの緊迫感を醸し出している。
作者の白戸勉氏はこれが小説デビュー作とのこと。
しかし、本業は映画の脚本を多数手掛けたシナリオライターらしい。
後半の攻防戦の部分がやや冗長気味だったのは残念だが、そこに至るまでの
リアリティは実に映像的。指摘した後半も、もし映像化されたら一番の
見せ場になりそう。
マジで映像で見たいなぁ・・・。
現在のCG技術を駆使すれば、極上のパニックサスペンス映画が出来上がりそう。
どこかが予算出さないかな、この作品の映画化に