【感想・ネタバレ】ブラック・ジャック 2巻のレビュー

書店員のおすすめ

手塚治虫(神)作品の中で、もっともエンタメ性があり、もっともストーリーが面白く、
そしてもっともキャラクターが立っている作品はと問われたら、
迷いに迷った挙句今作と答えます(異論は認める)。

無免許、ツギハギだらけの不気味な見た目、黒いマントにニヒルな性格と、
一見アウトローなブラック・ジャック(略称BJ)は、比類なき天才外科医。
どの医者も匙を投げる患者でも治してしまう、神の手を持っています。

見どころの一つは、医学部卒の手塚先生によるリアルで本格的な治療シーン。
生き物を縮ませるウイルス、人面疽、“ブラック・ジャック病”など
登場する奇病・難病も興味深く、BJ が次はどんな病気を治すのかとワクワクします。

また、治療を通じて描かれる人間ドラマも大きな見どころ。
超能力者との戦い、診療所を建てた大工との約束、安楽死を推奨するドクター・キリコとの対決などからは生死や倫理をめぐるメッセージが伝わってきて、
一口に“医療ドラマ”とくくるのは浅慮というもの。

高額な治療費をぶんどるため、一見悪人のようですが、
悪人からは悪魔、善人からは天使と呼ばれることも。
そんなBJの二面性や、カタルシスたっぷりの勧善懲悪のストーリーも、
作品が愛される一因なのです。

医療漫画の先駆である今作は現在にも大きな影響を与えており、現在も「ブラック・ジャック」にちなんだ作品やオマージュ・パロディ作品が多数出版されています。
一部をご紹介すると、
熱い医療&人間ドラマ『ブラックジャックによろしく』(講談社)、
今風の、しかもなんだか色っぽい絵柄で若かりし頃のBJを描く『ヤング ブラック・ジャック』(秋田書店)、
イタコ漫画家による愛とギャグ満載の『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』(小学館)などなど。読まない手はないぜ、おまえさん。

いずれもBJと手塚先生へのリスペクトにあふれていますので、
本編読了後はぜひ手を伸ばして、現代でも健在のBJ人気を味わってみてください!