あらすじ
政治学が退屈だなんて誰が言った? あるときは時代を動かす政治家や官僚の肉声に耳を傾け、あるときは歴代首相の私邸を訪ね歩く。政変にはジャーナリズムの現場に躍り込み、政府懇談会では右翼から脅迫を受けたことも。TBS「時事放談」の司会でも知られる行動派の政治学者が東京大学で行った最終講義六回を実況中継。言いたい放題のおしゃべり講義に毎回ゲストが甘口辛口のコメント。やがて聴衆も交えて教室は知のコロセウムに。学問が断然面白くなる異色の政治学入門書。
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Posted by ブクログ
日本政治史におけるオーラルヒストリーの第一人者、御厨氏が大学の最終講義を6回に分けて行った様子を新書にまとめたもの。
それぞれのテーマに対しての御厨氏の講義→ゲストのコメント→御厨氏がコメントに対しての釈明と乱取りという流れの6回である。テーマは、オーラル・ヒストリー、公共政策、政治史、(首相官邸や最高裁判所などの)建築と政治、書評と時評、メディアと政治である。
いろいろな裏話、または考えを知ることができたが、特に官房長官だった後藤田氏の「菅直人は統治がわかっていない」という一文は削除してくれというところだった。表には出てこない、いろいろな人間が作り出した歴史を感じることができたような気がした。
御厨先生には、時事放談などではまだまだ活躍してほしいと思う。
Posted by ブクログ
政治史の御厨教授の最終講義6回分のまとめ。
政治史を、オーラルヒストリー、文献、建築など色々な角度から見ていること、メディアにもテレビや書評を通じて露出していることから、政治史そのものではなくそれぞれの切り口がどういうものかについて6回の講義を行っている。
オーラルヒストリーについては、西欧からの導入であるが、日本に広まって来た感があり、インタビュイーもこなれて来ている。が一方メディアの出方も多様になっているため真の姿を見極めるのはやはり難しいのかもしれない。御厨教授は元々は官僚を相手に戦後の高度成長を裏付ける政策に取り組んでいたが、近年はより政治家より担って来ている。
旧来のテレビ新聞といったメディアは、受け手も固定化され、作り手はその中で流しているだけになってしまっている。
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○東京大学元教授で放送大学教授の御厨貴氏の著作。
○著者の東大での最終講義(シリーズ)を本にまとめたもの。
○オーラルヒストリーの第一人者である著者の研究の秘訣や思いが満載で面白かった。
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最終講義の模様が、まるで躍動感のあるエンターテイメントのように伝わってくる。内容も深く、オーラル・ヒストリー,公共政策,政治史,建築と政治,書評と時評,メディアと政治の6章構成。
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政治史という聞きなれない分野の研究者の最終講義録。といっても6回もあるもの。これがまず面白かった。戦後政治史に興味が出てきた段階と思ってたので、本書はタイムリーであり、躍動感を感じることができた。内容詳細については、バックボーン、理解力が不足してるため、把握はままならずというところだが、それでも楽しめた。独特の雰囲気の著者の講義を、ぜひ生でみてみたい。放送大学へいかれるとのことなので、聴講してみようかと画策。時事放談に出てた人だ、と気づくのが読み始めてから、というのがとほほでありました。
Posted by ブクログ
日本政治史を専攻されている氏の最終講義をまとめた本。各回最初に御厨氏が、テーマについて語り、それへのリアクションをゲストスピーカーが語り、御厨氏がこれに対してコメントするという形式。
語り手の力量が、かなり問われる形式であると思われるが、語り手もゲストスピーカーもかなりの実力者であるので、かなり内容はしっかりしているし、面白い。個人的に興味深かった点は、公共政策のところで、ある政策をめぐり反対派と賛成派が激しくやり合うが、議論の場を離れると両者の仲が良いケースもあるというところである。このような状況からいかにして公共政策が実現するのか見てみたい気がした。
Posted by ブクログ
新聞で時々見かける名前程度の知識しかないところで読んでみた。
6つのテーマについて、本人の独演、専門の研究者のコメント、質疑応答、で構成されている。
まず感じるのは、本人、登場する研究者がみんな東大。
きっと、聴講者もそういう人たちなんだろう。
中身は面白い。
アカデミック一辺倒ではなくて。
かなりベタなユーモアがあって、読み進められる。