あらすじ
マクロ経済学は「ビジネス常識」。ハーバード・ビジネス・スクールで20年教えてきた現役教授による実践テキスト。マクロ経済学というと、数式や経済モデルが多数登場し、日々の生活やビジネスと縁遠い印象が強い。本書は、ビジネスに役立つという視点を徹底的に追求。具体例を挙げながら、わかりやすく解説します。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本書はハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のBGIE(Business, Government, and International Economy)というモジュールで使われている本になります。HBSで使われているということは、これからビジネス界に入る人(MBA)、あるいはすでにビジネス界でそれなりの役職についている人(エグゼクティブ)が読む本になるわけですが、章によっては多少難解な箇所もありましたが、全般的に言えば、そのような対象読者向けの本としてはわかりやすく書いてあると思います。何より一番好感が持てたのは、様々なマクロ経済指標(金利、インフレ率、為替レート、マネーサプライ)の関係性をひもときながら、最終的にはその因果関係は複雑でわからない、と正直に書いてあることです。ただし、白旗を上げているのではなく、むしろロジカルに(分析対象指標の)押し上げ要因と押し下げ要因の両方があることを示し、結果として(その分析対象指標が)どう変化するかはわからない、という記述をされています。これが巷の経済入門書との最大の違いでしょう。
日本でもマクロ経済入門なる本が多数出ていますが、この指標が変わると別の指標はこう変わる、と断言している記述が多く見られます。そしてビジネスマンの立場からすると、「そんなに世の中単純ではないし、この著者は現実世界を直視していないのか?」と思うことも度々ありました。書かれていることは物事の一面にしか過ぎず、コインの片方だけを見て全部を見たように記述しているにすぎません。本書でも最後の方に、「マクロ経済学は謙虚な学問でなければならない」と書かれていますが、まさにそのようなスタンスで本書は書かれていると思います。本書、ビジネスに関わっている人であれば、ぜひ手元に置いておいたらよいかと思いました。
Posted by ブクログ
マクロ経済学についての良書。
GDP、貿易赤字、年金問題、為替、、日頃の経済ニュースで出てくる言葉とその影響因子について簡潔に書かれている。
分からなくなった時に見返せるようにずっと家に置いておきたい一冊。
Posted by ブクログ
アウトプットという経済成長の源
アウトプットに対する貨幣の価値の濃度変化
各国の貨幣同士の価値の変化
人間の不合理な心理
この辺りがマクロ経済にどう絡んでいるかを解説した本
細かい数式や理論は出てこないのでざっくり大枠を掴むのにいいと思った
次はマクロ経済学の入門編的な教科書を読んでみたい
Posted by ブクログ
会計プロフェッショナルとして、経済学の話についていけないとお客さん及び同業者の信用ダダ下がりなのでは?と思い焦ってこの本に手を伸ばす。
「ハーバード流」とか「ハーバードメソッド」とかとりあえず権威ある大学名をつけただけで、肝心な本の中身がスカスカということはよくあるが、当書には当てはまらなかったように感じる。
Posted by ブクログ
MBAのマクロエコノミクスの課題図書。英語でも読みやすいのだが、やはり日本語の方が圧倒的に読みやすいため慌てて購入。
分かりやすい。
訳も良い。
アメリカベースではあるが、マクロ経済の概要が分かります。
入門として非常に良い。
これから頑張って原書を読みます…。
Posted by ブクログ
比較的わかりやすいマクロ経済入門。重要な要素を押さえているように思う。
<メモ>
・輸入が輸出を上回ると、その差額を埋めるために外国から資金を借り入れる必要が生じる。同国は将来のいずれかの時点でその差額を返済することを約束することになる。
・ケインズは期待をアニマルスピリットと読んだ。人の心とう非物質的な仕組みが世の中を動かしてしまう。
・貨幣には三つの価格がある。時間に関連する価格が金利、外国の通貨に関連する価格が為替レート、すべての財サービスに関連する価格が総物価水準。
・名目GDP=総物価水準×実質GDP
・期待は経済全体がどの方向に進むかの原動力になり、期待通りに状況が動くことさえある。ある銀行が破綻すると預金者が予想した場合、恐怖心を抱いた大勢の預金者が一斉に預金を引き出すとその銀行は本当に破綻する可能性が高くなる。
・GDP統計が便利なのは、現在のアウトプットの価値の計算や時間の経過に伴うアウトプットの変化の計測ができるようになる。経済成長の基盤的源泉や将来に渡る経済成長の持続可能性に関する重要な手がかりが得られると考える人もいる。例えば投資は現在と将来のアウトプットを結びつける極めて重要な要素である。
・マクロ経済の構造
金融財政政策が貨幣や期待に影響を与え、それがGDP国際収支に影響を与えるという構造。
期待はアニマルスピリット、根拠なき熱狂、インフレ誘発的な機体といった要素があり、
貨幣はインフレ、金利、為替レートから要素構成される。