【感想・ネタバレ】日本逆植民地計画のレビュー

あらすじ

橋爪大三郎の本気!タブーなき成長戦略!

「日本を救おう。何としても、救おう」で始まる橋爪大三郎による「救国の成長戦略」提言の書。練りに練った8つの革新アイデアで日本を活性化させる!
そのひとつ、日本逆植民地計画は、海外の国と日本政府で「逆植民地」契約を結び、日本の一部市町村を相手国の逆植民地として貸し出すというもの。外国人が集団で安心して生活しやすい地域をつくることで、優秀優良な外国人を大量に呼び込み、日本全体の生産人口を増やすほか、日本経済を一気に活性化させる秘策だ。
本気で日本を救うためには、ここまでやる必要がある!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

21世紀になって20年が経ったけれど、タケコプターもどこでもドアーも生まれなかった。インターネットは発達したが、生活は思ったほどには変わらず、ドラえもんの時代にあった未来に対する熱はすっかり冷めてしまった。いまや日本の未来は暗く貧しいものでしかない。

ここで橋爪大三郎が日本再生に向けて提案するのは、「ダブル都市」「百年マンション」「太陽熱発電」「どこでもトーク」「無人自動車」「潜水商船隊」「新食糧」「日本逆植民地計画」の8本。最初の3本くらいまでは、政策としてもそれなりに議論されたものだが、ちょいちょいドラえもんが思い返された。ポテンシャルとしては可能なのに、思ったほどには実現されていない。

どこでもトークって、要するにほんやくこんにゃくで、今はディクテーション機能も翻訳機能もかなり高度になっているので、作ろうと思えばやれないことはない。無人自動車だってもう技術的には可能だろう。ドラえもんの時代にはそれらの技術が未来の日常生活を激変させているだろう、と考えられていたが、現実にはそういう方向に動いていない。

飛行機だって、コンコルドが発展し、NY-パリが1時間、とかそんな風になれば、もうこれはほとんどどこでもドアなわけだが、現実には低コストでの大量輸送という方向に行った。

でも生活はそんなに変わっていないようで、平均寿命も凄く伸びたし、週休二日は定着したし、人々のコミュニケーションはずっと幅広いものになったし、多様な情報があっという間に広がるようになった。半世紀前と比べても、ずっと暮らしやすくはなっている。

本書の提言はどれも重要なものばかりだが、未来の危機に向けて人々の意識を変え、実現にまでもっていく政治の貧困ということが、一番大きい問題のような気がする。

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2019年11月18日

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