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Posted by ブクログ
綺羅星のような戯曲。構成も素晴らしい。メフィストフェレスになりたくなってしまった。高校生の時には挫折した作品。ドイツ文学の最高峰では。
Posted by ブクログ
詩聖ゲーテの名作『ファウスト』。
戯曲向けに書かれたので韻文でつづられている(最初ふつうの小説と思って読むとびっくりするかも)。
第一部は1808年に発表され、第二部はその約30年後の1833年=ゲーテの死の翌年に発表されたという・・・ゲーテの生涯を通して書かれた作品、なんですね~(30年推敲を重ねられたっていうか暫く放置されてた感があるけど…)。
新潮文庫の1巻では“天上の序曲”~天使たち(ラファエル、ミカエル、ガブリエル)の合唱から始まり誘惑の悪魔・メフィストーフェレス登場。神とひとつの賭けをする。即ち、善き人間であるファウストを悪の道へと引きずりこむことができるのか。
ここから悲劇的本編“第一部”へとはいっていく。
第一部はファウストが悪魔メフィストと出会い、あの世での魂の服従を交換条件に、現世であらゆる人生の快楽・悲哀を体験させるという約束をする。
ファウストは素朴な街娘グレートヒェンと恋をし、子供を身ごもらせる。そしてあい引きの邪魔になる彼女の母親を毒殺し、彼女の兄も決闘の末に殺す。そうして魔女の祭典「ワルプルギスの夜」に参加して帰ってくると、赤子殺しの罪で逮捕された彼女との悲しい別れが待っていた。
・・戯曲ということで主人公の内面の葛藤がセリフとして直接的に表現されている分あまり深く考えずにサクサク読むことができます。
ドラマチックな面白さがあるのは何といっても“ワルプルギスの夜”(ブロッケン山における魔女たちの祭典)かな!ほんものの、いわゆる≪ファウスト伝説≫には確かこのようなシーンはなかったはずだが、ゲーテはこの場面の描写に、かなり力を入れたかったもよう。本編中随一の躍動感と、幽霊たちの意味深なやりとりが見どころです。
Posted by ブクログ
言わずと知れた古典中の古典に初めて挑戦。戯曲という形式について詳しくは分からないけど韻が大切ということか。日本語に限らず翻訳するとどうしても原作とは印象が変わってしまうだろう。いずれ他の訳も読んで比べてみたい。
宗教的な示唆が多くて聖書を読んでいればもっと理解が深くなったはず。メフィストーフェレスという悪魔を描く作者の頭がどうなっていたのか想像できない。恋愛や色欲は200年以上前のヨーロッパでも今と本質的に変わらないってことが発見。性的な表現を伏字にしているところに笑ってしまう。ワルプルギスの夜のところは全然理解できなかったけどなんか色々混ざり合った感じが凄い。ファウストは「己は自分の心で、全人類に課せられたものをじっくりと味わってみたい。」と言っているけど、ここが所謂ファウスト的衝動と呼ばれる部分なのかな。ファウストは薬を飲んで若返ったの?時間のとび具合がよくわからない、などもやもやするところは解説でふれられているのか。
「ワルプルギスの夜」はまどマギで有名だし。作品自体が「化物語」で触れられるなど個人的に日本のアニメへの影響も見逃せない。
Posted by ブクログ
カテゴリを「詩」にしたが、これは「本で読むための詩劇」で、舞台で上演するのは難しい。
「天上の序曲」は『旧約聖書 ヨブ記』のパロディ。『ヨブ記』ではサタンが神をそそのかし、「ヨブの信仰心が本物か否か」を確認するため、次々とヨブに厳しい試練を与えてテストする。
『ファウスト』は、神と悪魔メフィストーフェレスが「神が愛でるファウストをメフィストーフェレスが堕落させられるか否か」というギャンブルをする。メフィストーフェレスはファウストともギャンブルを始め、ファウストが「とまれ、お前はあまりにも美しい」と言ったら、メフィストーフェレスがファウストの魂を手に入れるという契約をする。この「二重のギャンブル」が後で重要な意味を持つのだが……。
ストーリーはそれほど難解ではないが、「ファウストが留守の間、恋人グレートヒェンが『赤子殺しの罪』で逮捕された事件」がわかりにくい。その瑕瑾がなければ五つ星。
Posted by ブクログ
知識、教養を身に付けてもなお心が満たされないファウストは悪魔メフィストーフェレスは契約をした。
若返りの秘薬を飲まされて、少女に恋をする。
ファウストはやりたい放題。