【感想・ネタバレ】テレーズ・デスケイルゥのレビュー

あらすじ

ボルドの荒涼たる松林を吹きぬける烈風にそそのかされたように、なぜ、と問われても答えられぬ不思議な情熱に誘われて、テレーズは夫を殺して自由を得ようとうするが果せず、しかも夫には別離の願いを退けられる……。情念の世界に生き、孤独と虚無の中で枯れはててゆく女テレーズを、独特の精緻な文体で描き、無神の世界に生きる人の心を襲う底知れぬ不安を宗教的視野で描く名作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ボルドーの貴族テレーズは、嫁いだ先の夫のもとで娘にも恵まれ何不自由ない暮らしを送る。しかし、なにも変わることのない安定した暮らしは永遠の牢獄で、生きたまま死んでいる生活はテレーズを蝕む。
毎日に倦んだテレーズはついに夫の毒殺を図る。

保守的な地方貴族の夫は家の体面を守るため、彼女を裁判で庇い、テレーズが発狂したことにし僻地に隔離し療養させる。

身一つとなったテレーズは巴里へ赴き放浪する。

1
2012年08月12日

Posted by ブクログ

女性として生きるということ、妻として夫を愛するということ、嫁として一族の子孫繁栄に貢献するということ、女性として社会の中で育てる自立性を大切にするということ…、それらの点を、この本を通して考える一つのきっかけとなった。

家庭と社会を両立させながら女性が強く生きていくことの難しさは、この本が書かれた時代だからこそ強調されているように見えたのかもしれない。けれど、時代云々は抜きにしても、私はテレーズのような家族や夫への接し方をするような未来を迎えたくはないなと思った。

自分の理想とする価値観や思想を大切にしようという思いには共感した。しかし、それ以上に、歪みのない愛情を、周りや自分に素直に抱くことの大切さを、この本を通して感じたように思う。

1
2011年06月01日

Posted by ブクログ

人間の虚無と孤独が精緻な文章で綴られている。乾いた砂に水が吸い込まれるように、ぴたりと肌に馴染む物語だった。

1
2009年10月04日

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