【感想・ネタバレ】桐畑家の縁談のレビュー

あらすじ

「結婚することにした」ある日突然、妹から告げられた桐畑露子。お相手は台湾の青年らしい。おくてな妹が自分より先に結婚なんて……27歳、無職で妹の家に居候中の露子は、落ち着かないながらもしぶしぶ職探しを始める。実は彼女も恋人からプロポーズされていたが、乗り気になれないのだった――。娘の国際結婚に戸惑う両親も巻き込んだ、迷走姉妹のユーモラスでちょっとビターな物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

素敵な本と出会ってしまった。
淡々と進んでいくなかで、心に響く言葉がポロポロと落ちている。それを拾うのが、私だけの宝物を見つけているようでした。

『主人公というのは「すじ」や「セリフ」を設定してくれる優秀な作者あったこそ存在するのだ。ブレーンもなしに実人生に投げ出され、前にも後にも進まなくなっているなんて、ああなんてやっかいなんだろう。』

「人生は自分が主人公」という概念があるなか、目からウロコの言葉でした。

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらためて中島さんは、短編の妙手であると思う。星が少ないのは、夢中、というほど湿ってなくて、カラッとしてるから。(桜木紫乃さんの後でしたから!)引き込まれる、というより、ちょっとした表現に思わず唸ってしまうことの方が多い。
どこにでもありそうなエピソードを、あっちからこっちから目線でつなげていって、その場を演出していく。佳子は、姉の露子より先に結婚してしまうが、露子は医学生の彼と結婚する気が起きない。どちらの結婚も、決してシンデレラストーリーにはならない。それがリアルに伝わってくる。個人的には(一緒に笑うことができる)姉妹がいるって、いいなぁ〜、と思ってしまった。
温水ゆかりさんの解説で、ウー・ミンゾンがいるという他の短編も、まんまと読んでいます。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たとえ、自分にも恋人がいるとしても、妹が先に結婚すると知ったときの姉の複雑な気持ちはわかる気がします。

小説のなかに、「あのおどおどした気弱な妹はそれでも、露子が落ち込むような迷宮にはけっして迷い込んだりしないのだ。」という箇所があります。仕事もしっかりとやっていて、結婚も自分で決めた妹。それに対して、無職で、恋人との関係も何だかはっきりしない姉。露子でなくとも焦るのに、条件が整い過ぎてると思います。

しかし、小説の最後の方で、妹の佳子は、意外なことで、露子に頼ってきます。きょうだいは、頼り頼られ。そんな関係が自ななんだと思いました。

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2012年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっと群よう子さんの本を読んでいる感覚と似ていた
読み終わったあと、にこっと笑顔になったよ
ふわっとした露子さんが、なんだか笑えて
楽しい気楽〜な感じだった

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2011年09月11日

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