あらすじ
「SIerの余命は5年」「IT部門は“かまってちゃん”」「ブラックを排除しないのならSIerもブラックだ」・・・IT総合情報サイトの名物コラムニストがIT業界の不条理を斬る『SEは死滅する』の第2弾。
日本のIT業界は、著者が「SIガラパゴス」と呼ぶ、世界でも類を見ない特異な業態。ハイテク産業のイメージと裏腹に、多数の技術者を動員する人海戦術でシステムを開発するため、SIer、下請け、孫請け、ひ孫請け…と何段もの多重下請け構造を形成する。
そんな日本のIT業界に“絶滅の危機”が迫る。デジタルマーケティング、IoT、フィンテックなど「ビジネスのデジタル化」のトレンドが全てを変える。素人集団と化し古いシステムのお守りしかできないユーザー企業のIT部門と共に、SIerや下請けベンダーはまもなく用済みとなる。
IT業界、そしてユーザー企業のIT部門で、プロジェクト炎上などの不条理の中で働く技術者に、はたして未来はあるのか。元マイクロソフトのチーフアーキテクトやCIO経験者ら4人の識者と著者の対談も収録し、鋭い切れ味の暴論で技術者の“生きる道”を示す。IT専門誌「日経コンピュータ」の元編集長で、IT総合情報サイト「ITpro」の人気コラム「極言暴論」の著者が、技術者に大いなる気付きを与える必読の一冊!
主な目次
【第1章】技術者を使い捨てる日本のIT業界の末路
【第2章】丸投げのIT部門、人月商売のITベンダーの喜悲劇
【第3章】諸悪の根源、劣化したIT部門の不都合な真実
【第4章】デジタルビジネス時代、ITベンダーの生きる道
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Posted by ブクログ
日本のSE、SIの現状やありかたを考える本
Tipsメモ
・今の開発はERP、FinTechなどに置き換わる
・需要が一定でないと今のSIは成り立たない→下請けからつらくなる
・「ものづくり」「おもてなし」気質
→現場の頑張り依存、マネジメント後進国
・仕様書を書く人がPGを書かない、プログラムを書く人が意味も解らず仕様通りに書く
→生産性低い
・建造物では設計図・構造計算あり→建てなくても強度は解る
→ITは「設計図と建物」より「レシピと食べ物」に近い
→なんちゃってレシピでおいしいかおいしくないか関係なくレシピ通りに作る
→あいまいな要件・仕様で、経験・行間読み・稼働で実現する日本のITベンダは凄い
・独自システムは属人性高→引き継ぎなど無駄コストも高い
・SEの稼働率が重要となっており、仕事がなくなることへの危機感あり
→アメリカで人材流動化している部分を、日本では社内で疑似的にやっている
・大規模PJで特定部分しか担当しない
→一部のスーパーキーマンで回る、若手が育たない
・ユーザ企業は専門家(ITベンダ)まかせになっている
・ビジネスのいねべーしょん⇒デジタル化
→ユーザ企業がITベンダ化し、ITベンダもビジネスを直視していく
→事業領域をまたいだ変革がおきていく