あらすじ
『大学』では、国家の指導者を目指す者たちは、単に学問を身につけるだけでなく、自己をよく修養し、徳を身につける必要があることを説く。
『中庸』では、人間の本性とは何かを論じ、いわゆる「中庸の徳」(いかなる場合でも、感情が動く前の偏りのない静かな状態である「中」を守ることのできる徳のこと)を説く。
本書では、初心者でも抵抗なく読めるよう、読み下し文は総ルビとし、一語一語の解釈を学ぶのではなく、現代語訳で全体の意味を理解できるようにした。
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Posted by ブクログ
悪くなかったなというのが率直な感想かなと。二宮尊徳や王陽明を絡めたコラムはとても良かった。
ビギナーズ・クラシックスシリーズだからと言うのはあるが、定期的に中国名著を読みたくなるのは、普段の読書のテイストが変わることが刺激になり、加えて道徳的な思考も呼び起こされてリラックスできるからである。
そうはいってもやはり、この手の書物は自己啓発本感があって、「自分の人生にはあんまり関係ないなぁ」という身も蓋もない感覚に襲われてしまう。
例えるなら、既に読書が好きな人に「読書を好きになる方法」を、首相になるつもりが全くない人に「首相になる方法」を力説しているようなものかなと。
※良いフレーズは結構あったので、メモはいっぱいしました(笑)
Posted by ブクログ
『大学』は全文収録、『中庸』は全三十三章のうち二十七章を収録している。書き下し文・返り点のついた漢文・現代語での意味・解説が書かれ、大きなまとまりの冒頭では、何章〜何章でこんなことが語られる的な解説も入って、非常につかみやすい印象。漢文と現代語での意味を読んでて強く思ったのは、原文があまりにもシンプルすぎて、たくさんの補足が入った現代語での意味を読まないと何を言わんとしているのかが難解だなと。だからこそ、様々な解釈や論争がおき、それでも長い間読み継がれているものなのかなと。これ全部実践できたらそれこそ聖人だと思うけど、目指す姿に近づけるように努める心構えは持てるようにしたい。