あらすじ
町内相撲の横綱は体育館の中で、引退した大富豪は書斎の中で、やくざの組長は核シェルターの中で、一本柳家の新郎は離れの中で、女性デザイナーはカプセルリフトの中で、それぞれ殺されていた。しかも現場は、どれもこれも密室状態!? 続発する不可能犯罪に挑むのは、関東平野の一隅にある町の警察署に勤務する黒星光、三十八歳、独身。密室の魅力に取り憑かれ、人生を踏み外しかけている迷警部は、いかに難事件、怪事件を解決するのか……? 奇才折原一の出発点となった記念すべき第一作品集の改訂増補版。/解説=山前譲
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Posted by ブクログ
ネタバレ
全編密室モノ、というのは推理小説フリークとしては書いてみたい(読んでみたい)魅力あふれるものである。
そんな意欲作。
密室の王者
・「バンザイ」のやつ、なんだかどこかで見たような見てないような。まさかなあ、と思ったモノが「正解」だとは。
たまにこういう事故が起こっているし、それでデジャブるのかな。
ディクスン・カーを読んだ男たち
・タイトルからミスリードさせる。
腹にカギをおさめる等々のキーはわりかし予想がつく。ただ、面白い筋立て。
やくざな密室
・組の抗争から、まさかまさかの密室殺人に発展。核シェルターの欠陥(換気扇)を利用したとは、、、。
懐かしい密室
・うまく行き過ぎ、という気もする。
脇本陣殺人事件
・トリックよりもどんでん返しが見ものか。折原の本領発揮。
不透明な密室
・お盆の高校野球で黙祷、そのスキをつくというのは盲点。ただ、そうかという感想。
天外消失殺人事件
・なかなか、こった殺人。勘違いだよりだが、運良くトントンと思えば、、、。
とある山の中の「恋人ロープウェイ」での殺人。
被害者が逃げ込んで、ロープウェイ密室。
往路で殺して、復路は加害者夫妻の言い争い。
そのあと、加害者夫妻の言い争いで錯誤。
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ポオをはじめカーや横溝など古今東西の推理作家はもちろん、ミステリ・ファンをも魅了してやまない密室。7つの短編全編が密室殺人という、ファンには堪えられないデビュー短編集。新装版。
黒星警部と七つの密室殺人。奇才・折原一の出発点となった記念すべき第一作品集。 (「BOOK」データベースより)
「密室の王者」
「ディクスン・カーを読んだ男たち」
「やくざな密室」
「懐かしい密室」
「脇本陣殺人事件」
「不透明な密室」
「天外消失事件」
予想外で、コミカルな作品でした。
黒星警部にはちょっとイラっとします(笑)。
密室の謎そのものは偶然に頼った感はいなめませんが、パロディの楽しさ(既読作品であれば)も味わえて、おもしろかったです。
Posted by ブクログ
密室話ばかりの作品集。
黒星警部が主人公、といか狂言回し。
ミステリ好きがこうじて仕事に差し障るというとんでもさん(笑)
1つぐらいは活躍させてあげてもよかったかも~。
Posted by ブクログ
密室殺人をテーマにした短編集です。
使い古された密室トリックをパロディー風に茶化して書いています。ガチガチの本格を期待している方は拍子抜けします。
しかし、短編すべてが有名作品のオマージュになっていますし、捻り具合もなかなかです。本当に成功したら完全犯罪に成り得る密室殺人もあり、決して馬鹿に出来ません。
あまり考え込まないで、気軽な娯楽推理小説として読めば楽しめると思います。著者らしい演出もあって面白かったです。