【感想・ネタバレ】生き返っても、あの世のレビュー

あらすじ

一度死んで生き返ったら、死ぬよりツラい世界が待っていた。それでも〈わたし〉は生きる希望を見失わない。

pixiv累計閲覧数600万超&総リツイート3万超──WEBで大反響を呼んだコミックエッセイ『死んで生き返りました れぽ』の続編。
著者の村上竹尾氏は3年前の春、突然の心肺停止で緊急搬送されました。9つの合併症が判明し、生死の淵を彷徨いましたが驚異的に快方へと向かい、2ヵ月後に退院。その時には「奇跡の人」と呼ばれました。

しかし、生き返ったあとには「生」を実感できない世界が待っていました。理解できない視界、読めない文字、空に浮かぶくじら、幻覚に幻聴……普通の生活とは程遠い現実。
これまでの仕事での過剰なストレス、不規則な生活などが原因で患った数々の病状。奇跡的にいくつかの数値は回復はしたものの、その後遺症は想像もできないものだったのです。

それは、まるで悪夢の世界のよう……一度は「生き直す」ことのできる喜びに歓喜したが、いつまで続くか分からない不可思議な症状に苦悩する生活が続いています。状況を自らに納得させる難しさ、家族を含めた周囲の対応、入院前に引きずり込まれていった死への誘いなど、異世界に迷い込んでしまったかと思えるほどの壮絶な葛藤が繰り広げられます。今回は、そんな著者が苦しみながらも「生きることの実感」を求め続ける、息苦しいまでに切実なコミックエッセイです。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

消えちゃったので、思い出し書き。
読み終わって思ったことは、「この本をよんでよかったな」ということです。
前作を読んだことで思った「大変だったんだな」という一方的な理解が今作を読んだことで破壊されたのでよかったなと思いました。
あと、ご自分で幻覚の絵を描ける方って少ないと思うので、それもよかったなと思いました。
印象的だったのは、赤ん坊によって世界が破壊されるところです。
大人だと、話しかけたり行動することで、相手に働きかけができますが、赤ん坊はそんなことはしていないわけで。
筆者さんが、一方的に受け取ったということは、筆者さんは感受性が強い方でもあるのかなあと思ったり、「働きかけない、存在するとだけ」という働きかけもあるんだよなあと。
この方は、絵描きさんですけど、書かれている文も結構好きなので、いろんな媒体でお会いできると良いなあと思います。

1
2016年05月08日

Posted by ブクログ

倒れる寸前まで仕事に追われ、不規則な生活をしていた作者は、重度の糖尿病からくる多くの合併症、栄養失調、貧血、肺炎、横紋筋融解、敗血症、高アンモニア血症、急性心不全。そして、心肺停止、脳浮腫で倒れる。
そして、奇跡的にICUで息を吹き返す。

しかし、生き返った世界。そこは、彼が今まで住んでいた世界とは、まったく異なる世界だった。

脳が圧迫を受けたために、一部の機能が損傷し、目の前に写る世界、そして感じる世界。ものを食べること、飲むこと、ものに触ること、歩くこと、それらすべてが、いままで自分が生きてきた世界とまったく異なるものになってしまっていたのだ。

その極限のなか、作者は漫画を書く。
自分の置かれた境遇を、漫画で表現する。
そして、漫画という表現のものすごさが、そこに現れる。
写真とは違い、漫画は作者の主観的な考えを映し出す。
だから、実際に作者が置かれた場所の映像ではなく、作者がそのとき世界をどう見ていたか、どのように感じていたのかということが、ストレートに表現される。
そこに描かれているのは、まるで影のような自分の姿、眼には映るけれど理解できない外の世界。聞こえるけど理解できない他人の会話。そして、現れる妄想や幻聴....

現在、作者は徐々に自分が元いた世界に戻りつつあるという。
その過程を応援したい。
そして同時に、日本人にそして私にとって、とても身近な病気である糖尿病の恐ろしさを改めて感じた。
節制しなきゃ。

1
2016年04月01日

Posted by ブクログ

少しこわい。
こわいけど、こういう風に世界が見えてるのかって想像しやすい。
だからこわい。

くじらぐもを思い出した。

0
2021年01月31日

Posted by ブクログ

色々と残酷な感じ。
でも、様々な衝撃は前作を超えない。
この手の2作目はなんだかみんなそんな感じ。

0
2017年10月27日

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