あらすじ
16世紀初頭の中国で、王陽明という一人の思想家によって生み出された陽明学。<心即理><致良知><知行合一>の基本原理によって、知識よりも行動を重んじるその教えは、江戸時代初期の日本に伝来し、武士社会を中心に急速に広がっていた。それが可能だったのには、中江藤樹にはじまる錚々たる陽明学者に学び継がれたことがある。彼らは独自の解釈を加味しながら、日本の陽明学を“警世の活学”として開花させた。そして幕末に至ると、勤皇の志士たちの行動理念となって、時代を揺り動かす起爆剤となるのである。本書は、東洋学の泰斗として今なお多くのファンを持つ著者が、身近な事例を引きながら、日本陽明学の叡智を人生に活かす思索・実践について論じつくした講話録。中江藤樹・佐藤一斎・大塩中斎・熊沢蕃山らの著作・言行などから、混迷の現代日本を確固たる自己をもって生きる上での様々な知恵が示されている。PHP文庫だけのオリジナル編集版。
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Posted by ブクログ
【縁尋の機妙(えんじんのきみょう)】p43
人間の縁の広がりによる働きの不可思議なことは到底浅はかな智慧では計り知るべからざるものということ。
【真の正学に鍛えられた人材の出現こそ急務】p52
真に活きた正学によって鍛えられた人材が出なければ、やがて日本に恐るべき混乱と暗黒の時代がやってくることを覚悟しなければなりません。然し時局がそういう風になって参りますと、時代・人心というものは自ずから霊妙なものがありまして、人々は意識しないけれども、何か真剣で真実なものをもとめるようになる。これが良知というもので、人間である以上誰もが本具するところであります。
致良知とは、その良知を発揮することであり、それを観念の遊戯ではなくて、実践するのが知行合一であります。