【感想・ネタバレ】23区格差のレビュー

あらすじ

一人勝ちとも揶揄される東京都。そのパワーの源は「格差」にあった! 少子化せず、区によっては高齢化も進まない理由とは何か。子育てしやすい区、暮らしやすい区、安心・安全な区、学歴・年収・職業の高い区はどこか。そして山の手ブランドに迫りつつある危機とは? 23区がうねり、力強く成長を続ける、その理由を東京23区研究所所長がデータで解析。成長のヒントはここに隠れている! 区別通信簿付き。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

都市工学、まちづくりの専門家による、東京23区を比較した本。データが豊富で、東京35区時代との比較もあり、人口動態のみならず、歴史的、経済的、社会的見地など多角的視点から23区をランキングしており、とても面白い。参考になる事項が多かった。
「多くの人は同じ鉄道の沿線で移住を繰り返す」p5
「新橋、有楽町、八重洲、神田、秋葉原。これらのまちが何区にあるかをご存知だろうか。新橋は港区。八重洲は中央区。残る有楽町、神田、秋葉原はいずれも千代田区。全問正解者は相当の東京フリークだと自慢してもいいだろう」p26
「東京はひとくくりで捉えられがちだ。だがその内部を見れば、多様な「まちの複合体」が存在しているのである」p27
「東京23区は、一般的に「常識」とされていることがあてはまらない。それは東京だけが特殊だからではなく、東京が現代社会の最先端、ある意味で基準外で走っているからにほかならない」p31
「年をとるほど引越しをする人は少なくなる。引越しをするのは若い世代に多い。このため、人口が増えることは、まちが若返ることを意味する。そうなれば高齢化率が改善される。逆に人口が減ると、高齢化が進む。これが常識的なメカニズムだ」p38
「渋谷区は転出率が2位にのぼると同時に、転入率も8位。渋谷区には人の出入りが生み出す活発な新陳代謝が存在する。新陳代謝が活発とは、まちの内部が常にかき混ぜられている状態にあることを示す。その動きが常にまちの活力を再生産し続け、若い人たちを惹きつける魅力を高めている。結果として、高齢化の進展が抑制されているのだ。逆に、足立区は転入率、転出率ともに23区最下位。人口は増えているが、いわば上澄み部分が増えているだけで、新陳代謝に欠けている。江東区も、転入率は6位を示すものの、転出率は22位。やはり新陳代謝が弱いのだ」p41
「(住みたい行政市区ランキング)1位世田谷区、2位港区、3位目黒区で、この順位は2013年以降変わらない不動の人気だという。トップ10に名を連ねる23区の顔ぶれは、ランクが高い順に、文京区、杉並区、千代田区、渋谷区、中央区。次が16位の江東区、27位の江戸川区。なお、公表されているのは上位30位までで、この中に入っていない、ランク外の区が6つある。台東、墨田、北、荒川、足立、葛飾だ。そのほとんどすべてが下町エリアに集まっている。住みたいと思うかどうかでの「山の手vs下町」の勝負は、山の手の圧勝といっていい」p44
「世田谷区の人口は約88万人。47都道府県の中に世田谷区より人口の少ない県が7つもある」p63
「地価が高いと、住宅は広くなる。東京23区の一戸建て住宅の平均床面積は104㎡。マンションは51㎡。床面積が150㎡の一戸建て、あるいは80㎡のマンションは、豪邸とはいわないまでも相当リッチな住宅と見なすことができるだろう。一戸建てのうち、このリッチ基準を超える住宅の割合が一番多いのは港区で、以下、千代田区、渋谷区、目黒区、文京区と続く。低い方は、葛飾区、江戸川区、北区、足立区。マンションも同様で、80㎡以上の割合は港区、千代田区、世田谷区、文京区、渋谷区の順で多い」p92
「23区の中で最も所得水準が高いのは港区で、一人当たりの額は実に900万円を超える(全国平均321万円)。以下、千代田、渋谷、中央、文京、目黒、世田谷の順で続き、これら「七強」が高学歴、高職種を合わせた「三高」の区の代表となる。上位七強が「三高」の代表とは言ったものの、港、千代田、渋谷の3区が突出して高く、これらトップ3とその他大勢に二分されている感がある」p100
「新宿区のひとり暮らし世帯の割合は62.6%。もちろん、23区で一番高い」p131
「住みたい鉄道路線は、東横線が38%を占め、2位中央線14%を大きく引き離す」p157
「2010年の国勢調査で、人口密度1位の座は豊島区に譲ったものの、1990~2005年の間は中野区が一番高かった。「東京で」はない。「全国で」だ」p163
「神田っ子は、江戸っ子のシンボルだった」p167
「江戸っ子男子のほめ言葉といえば「いなせな勇み肌」」p168
「1935年の国勢調査によると、旧神田区の人口は現在の6.5倍の13万7000人。旧麹町区も今と比べるとはるかに人口が多かったが、その数は6万人で、旧神田区の半分にも満たなかった。神田には人口収容の膨大なキャパシティーがあった(卸売店が多く住み込み店員を数多く抱えていた)」p171
「豊島区の中心である池袋のまちは、妥協の産物として生まれた。そもそも山手線は目白から田端の方に結ばれる計画だったが、地元の反対や地形上の理由から、当時何もなかった池袋に駅を作ることになった」p211
「(大田区)田園調布と蒲田に象徴される旧大森区と旧蒲田区は、しょせん水と油。神田と麹町における千代田城という強烈なシンボルもない。足して二で割った名前(大田)を選ばざるを得なかった背景には、簡単に埋めることができない異文化の存在が影を差していた」p214
「東京に35の区があった1935年、35区の中で一番人口が多かったのは荒川区だった。隅田川の水運に恵まれる荒川区に大中小の工場が集まり、その工員たちの住宅や彼らの消費が荒川区に繁栄をもたらしたのである」p245
「大名屋敷には、池のある大きな庭があった。つまり、大名屋敷だらけの江戸のまちは、庭園だらけのまちでもあった。大阪や横浜などと比べ、東京の中心部に緑が多いのは、この遺産にほかならない」p258

0
2018年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東京23区は、それぞれ地理的にも個性豊かである。そこから、なんとなーくのイメージがそれぞれできているが、それらを定量的に評価したのがこの本である。
 切り口は高齢化、少子化、学歴、高収入、子育て、シルバー、就業などなど。元々、どのような街が発展してきたか、(大名屋敷→山の手→100坪の戸建ての世田谷や、埋め立て地→中心地→タワーマンション林立の中央区・江東区などのようなこと)が、その後の街の問題点(少子化による空き家問題、相続で細かすぎる区画)につながってくる。
 我々はなんとなくのイメージで判断しがちだが、家を買う・借りる、働くなどの判断をするときには、ちゃんと定量的な裏付けが必要になる。そういう意味で有益である。

0
2016年11月02日

Posted by ブクログ

都内の中においても広がる格差。

というか、東京のほうが地方よりも格差は大きいのです。

これは都心での不動産投資を行う上では、

非常に参考になる本だと思いますね。

攻めるべき区は何処か?

売却を急いだほうがよいエリアは?

こういうことが見えてきますね。

0
2016年02月24日

Posted by ブクログ

各区の比較をしているが、最後の方に重要な指摘があった。
20年以上の定住者の割合が低い区(港区、世田谷区、目黒区、千代田区、文京区)と、住みたい人気のある区が、一致している。
定住者が少ないのは、賃貸住宅が多いから。
賃貸住宅に住む人が入れ替わり、住民に新陳代謝が行われることが、その地域の活性を保つために必須。
住民が入れ替わらない郊外の分譲住宅地は、経年変化とともに高齢化して、地域の活性が失われる。
したがって、持ち家を買う場合でも、地域内に、ある程度の賃貸住宅の供給がある地域の方が、数十年後に活性を保つことができる可能性が高い。、

0
2019年05月21日

Posted by ブクログ

著者は都市計画のコンサルタント、東京23区研究所の所長を務めている。東京を俯瞰的に眺めるためのデータとして役に立つ。23区それぞれの位置関係や特徴、人口動向などが参考になった。

0
2016年09月02日

Posted by ブクログ

タイトルはキャッチーだが、中身は23区を細かく分析しており、読みごたえあり。

ただし、東京に住んでいないとピンとこないかも。
もし同じ内容で大阪版を作られてもさっぱり分からないだろう。
そういう意味では東京限定のローカル本かもしれない。

0
2016年03月20日

Posted by ブクログ

某書店で新書週間2位の売れ行きということで手にとってみた。23区全てに色々な統計結果を用いながら分析・考察。新書の中では読み応えのある方。今世紀に入ってから港区が大躍進してるとは知らなかった。高所得者が集中してるらしい。北区は不労老人が最も溜まってきているらしい。同じ東京の中の区毎の違いが感じられたが、それは格差というより個性でしょうか。

0
2016年02月17日

Posted by ブクログ

こういう本もたまにはおもしろい。自分の住んでいる街について知るということは、魅力が広がるのかもしれない。
ひとつの知識としてこういうのを持っておくこともありなのだと思う。

0
2025年03月20日

Posted by ブクログ

データは古いものの
面白い比較が多かった!

私はBランクの区に住んでるみたい。

色々な比較がありましたよー
学歴、災害に強い、病気になっても大丈夫…etc

0
2024年09月09日

Posted by ブクログ

ここから先の数冊の感想は、あまりにも業務が多忙で、読後すぐに書くことができなかった。
事後的に、思い出しつつ、できるだけ短くまとめるようなつもりで記載を残すこととする。
書いている時点で手元にない本もあり、不正確にならないように努めるが内容に記憶違いが含まれている可能性は排除できない。

珍しく新書を読んだ。2015年に出ているということで、その当時にも読みたいと思っていたが、その後再び目にしたので、読むことになった。
タイトル通り、東京23区について、ランキング形式の様々なデータの紹介と著者の考察などについて述べられている。
データは出典も含めきちんと提示されていたうえで、著者がそれに基づき考察や見解を加えているものであり、その点、フェアな印象はある。ただ、そのデータから本当にその内容を指摘しても良いのだろうか?と思うような点もあった。
その一方で、意外だと思うデータやランキングもあり、23区に関する雑学的な内容を取り扱った読み物として、素直にとても興味深く読めた。
新書の形式だし仕方ないと思うが、例えば1つのテーマについて23区それぞれの状況を概観する場合でも、仮に文字通り23区分の記述をするようなことを考えると、うまく短くまとめるのは難しいのではないかと思う。
つまり、どうしても、広く浅い説明や紹介になる面があるのは仕方ないのではないかとも感じた。
自分の住んでいる区がランク付けやグループ分けであまりいい位置にいないと嫌に思うこともあるかもしれない。ただ、当然だがそれぞれの区に特徴があって、今後も東京に住むのであれば、なじみのない区も含めてもっと知りたいと思う。特に成立史のようなものもいつか勉強してみたいと思う。

0
2021年11月22日

Posted by ブクログ

こういう本はエンタメがその本質であり、モノの見方が主観的過ぎて結論が強引じゃね?と文句を垂れるのは野暮である。読んでる間が楽しければそれでよい。が、訳の分からぬ帰属意識が頭をもたげてくると、いろいろ思うところが出てくる。板橋区が”格差”上位に来ることはあり得ないが、江戸川区より下なのか!という心境も正直ある(江戸川区民さんゴメンナサイ。。。)。
訳あって今は江東区に住んでいるのだが、最初板橋区と街の見え方があまりにも違うことに驚いた。とは言え、板橋と言っても三田線沿線と東上線沿線では雰囲気が異なるし、江東区も深川と砂町は別の街だ。一概に「〇〇区はこうだ」と決めつけるのはあまりにも乱暴だ。
だが、これはエンタメ本である。こまけぇこたぁいいんだよ!と受け流すのが粋である。

0
2021年01月31日

Posted by ブクログ

23区のどこに住めばいいのか調べていたときに読んだ本。区ごとの特徴は分かって勉強になった。でも、どこに住むべきかは区単位でなくて、もう少し小さい単位で考える必要があると感じた。昔住んでいた江東区や杉並区、新宿区あたりは、区内での格差が非常に大きく、かつ、道一つ隔てただけで、まるで別の街ということが多くあった。この点は、東京DEEP案内などで補う必要があるし、実際、現地を散策してみないといけない。

0
2020年06月27日

Posted by ブクログ

品川駅は港区 目黒駅は品川区 板橋駅は板橋区、北区、豊島区の境界に位置する。 ロックの高円寺 ジャズの阿佐ヶ谷 クラシックの荻窪 アンティークのニシオギ 阿佐ヶ谷駅と杉並区役所を結ぶパール商店街 三大銀座 戸越銀座 十条銀座 砂町銀座 空虚な老後 江東デルタと武蔵野台地の地盤強度の差がはっきりと表れている コンビニが多い街は犯罪が多い 台東区や墨田区の皮革ひかく製品 浜田山 江戸川区西葛西のインド人コミュニティ 高田馬場のミャンマー人コミュニティ 春の小川 北品川の御殿山ごてんやま 武蔵小山パルム商店街 魔窟 森の石松 佃のタワーマンション晴海オリンピック選手村6千戸 江戸川区小松川生まれの小松菜 谷中生姜 練馬大根 柴又帝釈天 おもちゃの一大産地メイド・イン・カツシカ さんや山谷のドヤ街 松竹蒲田撮影所 トプコン タニタ 孟母三遷の教え 安閑あんかん 金科玉条 むこうじま向島百花園 こととい言問団子 根津と千駄木は文京区 駅前が整備された渋谷が発展していくのも50年前の東京オリンピックが残したレガシーである 町家 荒川もんじゃ 小学校での英語授業の先進区 十人十色 文京区本郷の東京大学は、ほぼそっくりそのまま加賀前田家の大名屋敷跡に立つ。新宿御苑は信州高遠内藤家三万三千石の屋敷跡で 長州毛利家の屋敷から陸軍用地、防衛庁・自衛隊用地を経て、今の姿に至った六本木の東京ミッドタウンだろう。 借家暮らし 持家を選ぶとなると 小竹向原駅 玉虫色の理想論 根が怠惰な筆者の事である 国勢調査 篠原演芸場 国立スポーツ科学センターで強化合宿 名主の滝公園 西が丘サッカー場 スペリオ城北 赤羽自然観察公園

0
2019年05月23日

Posted by ブクログ

タイトル勝ちの本。つい興味をそそられてしまうが、特段新しい情報ではない。相対的な比較で足立区民は貧困のような印象だが、全国平均では上位のほうである。港区の住民がたまたま富裕層が多いため、平均が高いだけである。ただ比較をして一喜一憂すればよいという問題ではない。

0
2019年01月20日

Posted by ブクログ

様々なデータで東京23区を比較。自分の目的に合った視点から見つめると、筆者とはまた違った見方もできる。

0
2018年11月23日

Posted by ブクログ

東京にいろいろなところに住んだことがあるので、興味を持って読みました。今度はどこに住もうかな。面白い視点からかいています。ほかにも東京都について読んでみたい。

0
2018年03月01日

Posted by ブクログ

もう一つ踏み込んだ内容が欲しかった。
23区内の話しは、このレベルは東京の人は認知済。地方出身者には良いレベル。

0
2017年05月21日

Posted by ブクログ

題名は良かった。非常にキャッチー。
内容は、やや残念。様々な事項について区のランキングを作るべく区別の指標を使っているが、本文の主張はデータをこじつけているような感じになっている。あるいは、とってくるデータの選び方が悪いのか、イマイチ感が出てしまっている。
ただし、目の付け所は良いし、題名も良かった
23区の特徴比較ということであれば、30-40年前に東京都が発行した漫画の方が特徴を掴めていると思う。

0
2017年03月20日

Posted by ブクログ

23区。大学時代に過ごした東京23区を様々なデータをもとにまとめた本。
自分に縁がある区の内容を読んでみたら
納得できたこともそうでないこともあった。
23区という枠とは関係なくその街の持っている歴史、風土、文化は
データだけでは決して全て測ることは難しいんだなと感じました。
読み物としてはGOODです。

0
2017年02月26日

Posted by ブクログ

2012年の全国の平均所得水準は321万円。これに対して東京23区は429万円で全国の1.3倍以上。23区最下位の足立区でも大阪市や札幌市より水準が高い。夢の東京23区だが、23区内でも大きな格差が存在する。所得水準でいえば足立区323万円に対し、港区は903万円。約3倍。本書では東京23区をテーマ別、区別に分析を進める。常識とは大きくかけ離れた事実、意外なもろさ、様々な東京の顔を見せてくれる。それぞれにユニークな特徴があり、通信簿の点数だけでは判断できないものが沢山ある。人の好みや関心、暮らし方は十人十色。自分にとって最良の居住環境はいかなるものか。そんなことも考え直すこともできた。

0
2016年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はじめに。で。
銭湯と豆腐屋のデーター
って、納得というか。実感していたの。

23区数字で比較していてくれて…
わかりやすい。

そして23区の通信簿‼︎ありますよ‼︎

0
2016年09月21日

Posted by ブクログ

パラメータ別にみた23区夫々の特色と、うち特定の基準に基づいて独断的にまとめられたランキング付けの紹介。単純に数字だけみているのでも面白いし、著者の視点に係る重みづけを踏まえて格付けをみるのも興味深い。

0
2016年09月19日

Posted by ブクログ

23区っていってもそれぞれに個性があって特性も違うってこと。まー同じ区内でも地域によって雰囲気なんかは全然違うから当たり前ちゃ当たり前。
詳細なデータと、丁寧な考察は興味深い。

0
2016年06月18日

Posted by ブクログ

日本の首都東京、その狭い都市の中にも
格差は存在している。

都市計画のコンサルタントして、様々な地方都市の
まちづくりを手がけてきた筆者は、
近年、住みたい街の選び方が変わってきたと感じている。

東京を、単に外側から見る「憧れの街」としてではなく
生活する場として、身近な街として
「私にとっての暮らしやすい街」を求める傾向が出てきたようだ。

この「私にとって」が大切なのだと思う。
今日、セルフ・ブランディングとまでは言わずとも
皆が同じであった没個性時代を経て、
それぞれが個性を重んじ、自分らしさを追求している。
いつまでプライドの呪縛に囚われているべきかを考えれば
住みたい街は広がっていく。

23区中、所得最下位の足立区でも
大阪市(192位)や札幌市(285位)より所得水準が高いという、
東京自体が高所得の都市であること。
その23区内でもピケティ氏の説を裏付けるかのごとく
「富の集中」が進んでいること。

東京で生まれ育った私にとって
統計を基に次々と明かされる現実は、
薄々気付いていたとは言え、
喜んで受け入れられることばかりではなかった。

更に、日本の核家族化は大正時代から始まっており、
そして2010年の国勢調査でひとり暮らしが
夫婦と子供の世帯より多くなったという事実。

それでも、少子化が問題視される日本で
23区では子供が増えているという明るい側面もある。

結論として、住んでいい区はあるが、住んではいけない区はない。
あくまでも「私にとって」住みやすい街かどうかである。

個々人がそれぞれに描く未来像に応じ
意識的に「住んでいいまち」を選ぶようにすれば良い・
言い換えるなら、まちを未来につなげていく主役を、
私たち自身が担うということなのだと筆者は言う。

訪れたい街と住みたい街が必ずしも一致する必要はないと思う。
自分らしく暮らせる街は、ここ以外にもあるかも知れないと
今、少しワクワクしている。

0
2016年05月07日

Posted by ブクログ

統計資料をもとに、フェルミ推定的に各区の特徴をカテゴライズしてゆく本。23区の今がわかり、とても興味深い。自分が住んでいるからか、知っているようで知らない東京の街並みや雰囲気を一緒に味わったり、新しい発見も多く知っていてトクな情報ばかり。

0
2016年04月29日

Posted by ブクログ

「格差」は営業上の釣り言葉であって、23区それぞれの特色をデータで示したいというのが著者の意図だろう。

定住、定常ではなく、流動性が街の活性化の鍵だという指摘はその通りだと思う。

0
2016年02月23日

Posted by ブクログ

これから23区内に移住を考えている人はもちろん、現在もしくは過去に住んだ事がある人も自分と関わりのある(あった)区を改めて読んでみると面白い。図表や写真も多く比率や少々細かい所もあるが全体を通して読みやすい。区内に住んでいながら区内の全小学生に防犯ブザーが配られている等新たな発見も多かった。大きく2部構成になっており、特に後半の23区の通信簿が楽しめた。仕事がら様々な所に行く事が多いためこれから外出する際には今までとは違った視点から俯瞰できると思う。雑学的知識を満足させてくれる一冊。

0
2016年02月22日

Posted by ブクログ

杉並区にずっと住んでるけど、パラサイト男子は確かに多い笑
データも豊富に分析されてるので、実際住んでる人との感覚と合ってるんじゃないかなと感じた。

まあでももっと区の政策とかにも踏み入れて、どこに住んだらいいのかとか考えられるのかと思ってたから、期待とは少しズレてたかな。

子供を産むならどことか、企業するなこことか、学歴が高くなる区はこことか、高齢者に優しい区はこことか、そういうのが知りたかったw

0
2016年01月14日

Posted by ブクログ

知名度順の通信簿
新宿区 ひとり暮らしと外国人の天国
渋谷区 東京のアイコン、スクランブル交差点ではじける自称主役達
品川区 何でもあるけど何もない、お節介な商店街の街
港区 ヒト、モノ、カネ、情報が集まる昼間人口トップの東京ドリーム
世田谷区 奥様文化を象徴するサザエさんのまち
目黒区 女性比率が高い住みたい街は財政面に課題を抱える
中野区 若者が暮らす神田川の世界に子供はいない
千代田区 お屋敷の麹町よりも人口が増える新神田っ子が都心再生の鍵
中央区 人口増は日本橋>京橋>佃・月島、問題はオリンピック後
練馬区 東京の田舎でクール・ジャパンのアニメが生まれた
杉並区 パラサイト男子が狭い道をポルシェで駆け抜ける
江戸川区 未婚者も一人暮らしも少ない家族が住む海抜ゼロメートル地帯
葛飾区 一戸建ての穴場、ちょっと狭いが
台東区 家業が支えるコンパクトシティ、ドヤ街もバックパッカーで生まれ変わるか
豊島区 消滅可能性都市?は若い男が集まる
大田区 よりもものづくりのメッカで世界に繋がる蒲田、田園調布の大森は変われるか
板橋区中心地はない、しかし病院、大学、起業が多い
墨田区 隅田川沿いに見どころが広がる職人とおかみさんの街
文京区 丘の上の学生と研究者、谷千根は庶民のエネルギー
足立区 区内最低所得も大阪よりも多く全国では勝ち組のヤンママの街
江東区 21世紀の渋谷に成れるか?子供が多い人口増加地帯
荒川区 都電荒川線が代表する昔からのコンパクトシティ
北区 過成熟の街に大逆転はあるか

資産価値では山の手かもしれない、でも住んで面白そうな街はむしろ谷底と水の近くにある。

0
2015年12月31日

Posted by ブクログ

少子高齢化の話とかの統計の話を見て、どうも東京(というか23区)だけは別じゃない?と思う事が多かったのでこの本を手にとってみた。少子化してないし都心3区では高齢化も止まっていると。高齢化は3区だけだったか。

知っていることも意外なこともあって面白かった。
東京で標準化の指標で便利なのは面積(人口だとなんでも千代田区が一番になるから)っていうのも知らなかった。へー。

23区においても持つものは益々豊かに、持たざるものは…という富の集中が露骨に進んでるのね。

0
2015年12月19日

「社会・政治」ランキング