【感想・ネタバレ】看取り先生の遺言 2000人以上を看取った、がん専門医の「往生伝」のレビュー

あらすじ

治療こそ医師の使命だ。しかし、治らない患者はどうするのか。
肺がん専門医として確固たる地位を築き上げていた岡部健医師は、病院での治療に限界を感じ、宮城県に緩和ケア医院を設立。末期がん患者の訪問介護に注力し、2000人以上を看取った。

その岡部医師自身に胃がんが見つかったのは、東日本大震災の一年前だった。
自らのがん、震災は、岡部医師の死生観を大きく変えた。医療と宗教の壁を取り払い、「臨床宗教師」の誕生に、死の直前まで取り組んだ。

この本は、丹念な取材で知られるノンフィクション作家が170時間以上かけて、岡部医師の語る死生観、抗がん剤への疑問、在宅死、「お迎え」体験の意義などをまとめた「岡部医師の遺言」である。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私にとって衝撃を強く受けた本の上位に位置する神本の1冊。
看取ってきたプロが看取られる立場に…そして東日本大震災がおきる。
プロとしての信念がひっくり返り自分が歩んで来た道が揺らぎはじめた先生が新たにたどり着いた死生観にハッとさせられました。

古本屋にてみかけたら必ず購入してます。同じ本が複数ストックして読んだことがない仲間にプレゼントしてます。


何度読んでも考えさせられる。

ぜひ〜!!!

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

これがすべて、ではないけれど、こんな手段もあるんだなと思った。本の帯通り、がんというか病気や死への向きあい方が変わった。もともと、延命処置に批判的だったけど、死への道標が具体的で、漠然とした恐れが緩和された気がする。

在宅死が見えなくなっていて、看取りの文化が無くなってしまった弊害が出ているなんて、思いもよらなかった。「あの世」という存在が、人間の倫理観にも親密に結びついていることに対しても同じ。

宗教を信じることで、生と死が肯定されることに、うらやましさを感じていたけれど、まったくその通りだったな。無宗教は、見えない先はすべて無だから、辛いな。

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2016年02月28日

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