あらすじ
その立ち居振る舞いを見るだけで、信用に値する人かどうかわかる――。
まずは「耳は肩に垂れ、顎が浮かず、襟がすかぬように」という教えの通りに
姿勢を正すことで、一流人への第一歩が始まる。
室町時代から800年以上の間、一子相伝で受け継がれてきた「実用・省略・美」を
旨とする小笠原流礼法の継承者が、現代の生活やビジネスにも通じ、
非常に実用的かつ合理的な日本の礼儀作法を伝授する。
「立ったときに手を前に組む」「畳の縁は踏まない」といった
あやまった作法についても、なぜそれが間違いか合理的に解説。
日本人として一度は知っておきたい、世界に通用する礼法の真髄をこれ一冊で。
小笠原清忠(おがさわら・きよただ)
1943年小笠原流三十世宗家・小笠原清信の長男として東京・神田に生まれる。
慶應義塾大学商学部卒業後、医療金融公庫(現・独立行政法人福祉医療機構)勤務。
1992年小笠原流三十一世宗家を継承。現在、池坊学園客員教授、皇學館大学特別招聘教授、東京都学生弓道連盟会長、儀礼文化学会常務理事などを務める。
全国で礼法指導を行い、各地の神社で「流鏑馬」や「大的式」「人生の通過儀礼」などを奉納。『入門小笠原流礼法』『小笠原流の伝書を読む』など著書多数。
【目次より】
第一章◆代々、将軍家に指南してきた「礼法」とは
第二章◆立つ――まずは体を真っすぐにすることから
第三章◆呼吸――息を整えれば日常が変わる
第四章◆歩く――美しい歩みで体が軽くなる
第五章◆座る――仕事に役立つ凛とした所作 /ほか
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Posted by ブクログ
礼法について書かれた本.自分では絶対買わないジャンルの本だが,上司が推薦図書として貸してくれた.
礼法の根底を貫く概念は実用(合理性)・省略(効率性)・美(調和).正しく美しい姿勢は一番体に負担のかからない姿勢.ただし,悪い姿勢が染み付いていると最初は苦しい.定着化するまでは意識して姿勢をつくることが必要.ドローインや体幹のトレーニングなどと通じるところもあり,スポーツにも有用.
全体を通して非常にロジカルに書かれており,理に適っていることが重要なんだなと感じた.ただ,理に適っているかどうかを判断するには知識と多面的な視点が必要と思える.やはり古来から守られている風習には多くの人によって考え抜かれた理がある.
スケートをやっていて観客への見え方や正しい姿勢をつくることに対する意識の素養があったからか,本書の内容をいくつか試す中でも楽しんで取り組むことができた.
以下,個人的に意識しようと思ったことを書きとめておく.
■立つ
・顎を引く
・襟と首の間に隙間をつくらない
・足は平行
・重心は土ふまずのやや前
・手は組まない(体がすぼまる)
・丹田に意識を集中する
■呼吸
・ゆっくりとした深い腹式呼吸
・酸素を体中に循環させる
・力を込めるときは速く吸い遅く吐く
・落ち着かせるときはゆっくり吸う
■歩く
・内腿の筋肉を使い後ろの足を前に出す
=後ろの足を引きずらない
・一本の線を踏まないよう平行に足を出す
・後ろ足のかかとを上げない(滑らせるように)
・視線は4m先の地面
・手の小指を伸ばす
■座る
・(正座)親指のみ重ね,膝頭を少し開ける
・(正座)上体はやや前傾させる
・(正座)座るときは半歩足を引き水の中に沈むように
・(正座)立つときはまっすぐ煙が立ち上るように
・(幡足座)一方の足の裏を腿につけ,もう一方の足の裏を前に見せる
・足を崩すなら胡坐より幡足座
・(しゃがむ)上体をまっすぐにし,膝頭を下げ,かかとを浮かせる
・(椅子)浅く腰かけ,上体はやや前傾させる
※食事の作法は割愛
Posted by ブクログ
正しい姿勢は「意識して行う」。
体構えの中心は腰にある、椅子には浅く腰かける。
元が猫背なので是非吸収して実践したい内容。
姿勢も心掛け次第。