あらすじ
謀略反乱結社タイガーの野望を阻止しようとする、国際警察秘密ラインのトップ・エージェント、J3こと吹雪俊介を襲う危機また危機。奇想天外な攻防の舞台は、カジノ、スキー場から香港、マカオへ。「暗殺教程」007を日本に初めて紹介した都筑道夫の生んだ伝説のヒーロー、“スパイキャッチャーJ3”が、大長篇、漫画、TVシナリオを通じて、いま蘇る!
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Posted by ブクログ
日本版007。息をつかせぬアクションの連続、誰が敵で誰が味方か。アタック・アンド・カウンター・アタック、と作者がいうストーリー展開は、まさにスリルにあふれている。
The Undercover Line of International Police(国際警察秘密ライン)、通称チューリップ(TULIP)の日本支部の一員であるJ3は、香港へ不法移住した中国人が集団で行方不明になる事件を追っていた。チューリップの仲間が、殺されたり行方不明になる中、J3はフリーの記者を装い、秘密裏に行動を開始する。
彼の持つ道具は、すべて一見すると普通だが、組み替えると銃になったり、中から刃物が飛び出したりするスパイの秘密道具となっている。
途中、助けたり知りあったりする女性と深い仲になって濡れ場をみせるかと思えば、さまざまな道具や抜群の運動神経、訓練された頭脳を駆使し、ピンチを切り抜けるという目まぐるしいアクションの連続も。
舞台も日本から香港、マカオへと移り、派手な展開はまさにハリウッド映画のよう。
息もつかせぬストーリーの連続ながら、舞台背景をち密に書きあげる作者の卓越した能力ゆえに、文字を追っているだけでその場の景色はもちろん、においや息遣いまで聞こえてくるようだ。まさに日本版の007というにふさわしく、また活字で読むアクション映画のようである。