【感想・ネタバレ】人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った。 ― 第2の人生 マラリアに挑むのレビュー

あらすじ

愛しい子どもを失った若い母親の悲しみ。
アフリカの現実が自分の目の前につきつけられ、その衝撃が男を動かした。
子どもみんなに未来がある、健康に生きる権利がある。
フェアな世の中をつくることは自分のアクションから始まるという。
彼の人生のドラマは、みんなのストーリーだ。
――渋澤健(コモンズ投信株式会社 取締役会長)


【大企業幹部からNPOへ、異色の転身ストーリー】
大企業で順調なキャリアを歩んできたビジネスパーソンに
ある日突然「アフリカビジネス」の仕事が降ってきた!
右も左もわからない現場で、悪戦苦闘の日々が続く。
ある日ついに身体が悲鳴をあげてうつ病を発症、40日間の休職を命じられる――。
「自分のキャリアは終わった……」
絶望の彼を救ったのは、「1分に1人子どもが死ぬ」という
悲しい現実をなんとかしたいという思いだった。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

マラリア予防の防虫ネット(蚊帳)をアフリカで広めることに執念を燃やす水野氏による書籍。
日本との文化の違いにめげず、熱い思いが伝わってくる本です。

外資系企業を経て、住友化学へ。
そこで、高機能の蚊帳と出会い、事業責任者に。
途中、うつになり、出世の道が立たれたと絶望するも、
自らの志を思い出し、諦めずに、
現地の合弁工場の開設や生産体制の確立、
スーパーマーケットでの販売、研究所の設立などリードする。

CSR的な営みを事業化したモデルケースとして読んでも面白いですし、
アフリカビジネスの開拓ストーリーとして読んでも面白い。
さらに、50代からの再チャレンジとして読んでも面白い。
すなわち、どんな読み方をしても面白い本!ということで。

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2022年07月17日

Posted by ブクログ

この本は圧倒的にタイトルが面白く興味が惹かれる。

わたし自身の経験で言うと、アフリカやアジアに行く機会が多かったことから、外務省や地球の歩き方での「マラリアに気を付けてください」という注意書きを何度見たことか。特に蚊に注意してくださいといっても寝てる無防備な状態でどうやってと思いつつも、いつも蚊よけスプレーをかけて寝ていた。そんな、日本ではほぼほぼ見ない病気であるものの、海外諸国ではまだ一般的に流通している病気について書かれた本。著者の史実が描かれている。

一番感じたのは、①本の構成が少しもったいないな、②この人自身が製品を作ったわけではないものの仕組みを作った、③ってもやっぱりすごい。

①は、全部を最初から順を追って読むと、3章から違和感を感じた。特に4章と5章。著者の思いや生い立ち、マラリアの脅威や現状について書かれているが、どうしても時系列がわかりづらく、3章までに取り込んでほしかったと感じる。

②製品自体は、著者の元居た会社、住友化学で昔から研究していた方々の功績になる。具体的には、CSR事業として1980年から粘り強く開発された製品。
これは「ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」」に近い印象を抱いた。


ただし、この前提があっても、著者の行動はすごい。一番すごいと思うのは、現場主義から来るアフリカ生産工場・研究所の設立だろう。たしかに現地に建てるのは理にかなってるし、なかなかできることではない。

マラリア対策について、というよりは既存製品をどのように拡販するか。そして、拡販先がアフリカである場合はどのような手順が考えられるか?というマーケティング、チャネル開拓などの話がメインになる。そのうえで、50代という年齢制約が加わり、挑戦する難しさを説いていた。

といっても、NPO法人を会社から辞めて単独で立ち上げてはおらず、上からの命令であったことは否めない。契機は置いておいて、

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2022年05月26日

Posted by ブクログ

著者の水野達男氏は、北大農学部を卒業し、外資系農薬メーカー(日本モンサント社、日本サイアナミッド社)に通算22年勤務した後、1999年に住友化学に移り農業製品のマーケティングを手掛けてきたが、2007年にマラリア予防蚊帳「オリセットネット」を製造販売する合弁会社の日本側リーダーに就き、2012年からNPO法人マラリア・ノーモア・ジャパン(グローバル組織「Malaria No More」の日本支部)の専務理事兼事務局長を務めている。
本書は、著者が、30年に亘って従事してきた農薬関連のビジネスから、50歳を超えて、アフリカ向けの防虫蚊帳を製造・販売するビジネスを新たに担当し、58歳にして同ビジネスに関わるNPOに移った過程を振り返り、“人生の折り返し地点”で、自らの仕事や人生に対する考え方がどのように変化したのか、また、新たな世界にチャレンジするためにどのようなことを心掛け、結果としてどのようなことを学んだのかを綴ったものである。
「あるべきものがないなら、自分でつくればいい」、「時には「居心地の良い場所」から出てみる」、「考え続けていると解決策は向こうからやってくる」、「自分の「可能性」を信じるのに根拠はいらない」、「競争するのではなく「ユニーク」であれ」など、ビジネス界に関わらず、社会で生きていく上で心に留めておきたいフレーズも多数語られているが、本書の最大の特徴は、一般のビジネスマンにとっても等身大に近いメッセージであるという点であろう。
まさに、“人生の折り返し地点”に立ち、程なく第2の人生を選ばなくてはならない私にとって、仕事帰りの書店で本書に出会ったことはラッキーであった。
また、本書の発行元の英治出版は、『ブルー・セーター』、『チョコレートの真実』などの社会事業に関連する良書を多数出しており、注目される出版社のひとつである。
(2016年2月了)

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2016年02月12日

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