【感想・ネタバレ】ハムレットのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

高校生の時以来、10年ぶりくらい?に再読。当時シェイクスピア作品を他にも読んでいたが、どれもふーんという感じであったので、私も若い時があったのだなあとしみじみ…。読み返してみたら、これが本当に面白い。。信頼している福田恆存の訳で。

II-2
「燃ゆる星 空行く日
疑うきみの 心かなしく
見せまほし わが心
いつわりの世に まことのあかし」
訳が美しいです笑

Doubt thou the stars are fire,
Doubt that the sun doth move,
Doubt truth to be a liar,
But never doubt I love.

III-1
「生か、死か、それが疑問だ、…いっそ死んでしまった方が。死は眠りにすぎぬーそれだけのことではないか。…死んで、眠って、ただそれだけなら!眠って、いや、眠れば、夢も見よう。それがいやだ。この生の形骸から脱して、永遠の眠りについて、ああ、それからどんな夢に悩まされるか、誰もそれを思うと──いつまでも執着が残る、こんなみじめな人生にも。さもなければ、誰が世のとげとげしい非難の鞭に耐え、権力者の横暴や驕れるものの蔑みを、黙って耐え忍んでいるものか。…おお、誰が、好き好んでやつらの言いなりになっているものか。その気になれば、短剣の一突きで、いつでもこの世におさらばできるではないか。それでも、この辛い人生の坂道を、不平たらたら、汗水たらしてのぼって行くのも、なんのことはない、ただ死後に一抹の不満が残ればこそ。 旅だちしものの、一人として戻ってきたためしはない未知の世界、心の鈍るのも当然、見たこともない他国で知らぬ苦労をするよりは、慣れたこの世の煩いに、こづかれたいたほうがまだしもという気にもなろう。

ああオフィーリアとハムレットの悲恋の物語がこんなにも身に染みるなんて。「シェイクスピア劇の演出」という稿でも言及されているように、本作品では全てがつまびらかにされているわけではない。それでも後世の悲しく甘い諸々の二次創作たちにより付加されたイメージが、私を取り巻くのだ。ミレーやウォーターハウスの絵画、詩、歌、どんなものでも…。

美しいおとめは水に沈むのだ(浮舟、お宮、玉脇みを子など日本文学にもあふれている)

そして男とは未来で再会するのである

0
2022年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ポローニアス並に冗長に感想を書き残すぞ!
前に背伸びして読んだ時よりは面白く読めた。けど、今の私にはまだ難しいみたい。切れ味鋭いセリフが面白くて、関ヶ原くらいの時代のイギリス人と共感できるんだな、普遍的なんだな、と思うところはちょいちょいあったけど。

ハムレットは考えるっていうより、なんかただ悩んでるだけみたいで(本人も自分のことを口先だけヤローと思って色々苦しんでる)、王子にしては国も国民のことも考えないで、自分の復讐のことで頭いっぱいで、「この子、本当に王子なの??」。
まあ、敵味方わからない中で、王位簒奪した叔父さんを自分でなんとかしなくちゃって思うの大変だと思うよ。王子だし息子だし。でも1人で抱え込みすぎたんじゃないかな?ホレイショー信頼してるんでしょ。もっと頼りなよ。中途半端なんだよ、巻き込みかたが。悩むなら誰をどう味方に引き込むかとか、国民も家臣もより納得してくれる倒し方についてとかで悩むお前さんが見たかったぞ、ハムレット。お前さんの発狂したふりのせいでオフィーリアが死ぬほど傷ついてますけども??あの世で詫びて欲しいランキング1位だよ。オフィーリアはもうちっと気を確かに。いや、現代人から見てもうんざりする環境で本当にしんどかったと思うけど、発狂したふり返しをハムレットたちにぶちかましてやるくらいの気概があれば……!そもそも、クローディアス何してくれてるの。兄弟間でどんな確執があったの。嫁に懸想ってやつか(ゲスの勘繰り)。ガートルードもどうしたの??脅されて嫁になってるの?それとも元々本当は仮面夫婦でプロ根性で息子にも気取らせずに鴛鴦夫婦してたけどクローディアスと不倫関係にあったの?(ゲスの勘繰り)背景が気になるハムレット母。せめて再婚前にしっかりと息子と話してあげて欲しかったぞ、母。父も亡霊になってウロウロしたり息子を唆したりしてないで自分でクローディアスを何とかできたんじゃない?奴がお風呂入って髪の毛洗ってる時に、鏡に映り込むとかすれば?布団に逃げ込んだところで布団の中に出てやれば?きっと胸がドキドキしちゃってイチコロだぞ⭐︎
宿命を背負った中で「やるべきなのか、やらないでいるべきなのか」というのは、ハムレットにとって貴重な選択肢の一つだったのかなー……でも、ハムレット含めみんな色々考えて動いた結果、誰も作戦通りに事が運ばないというか、むしろアクシデントと皆のマズイ所がいい具合に噛み合って、最終的に王家壊滅してよその国に任すことになるって、すごい話だよ。

例えば三谷幸喜さんが各キャラの背景を膨らませて群像劇にしてたら観てみたい。今の私たちと同じように、登場人物たちが悩んだり怒ったり誰かを想ったりしながら、その時その時、必死で生きるところ。何一つ思い通りにいかずに運命に翻弄されながら、考えて選んで生きていく所が。

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2023年08月29日

Posted by ブクログ

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やっとハムレット読めて満足...あの有名なミレーのオフィーリア絵ってハムレットに出てくる登場人物だったのかと、オフィーリアが亡くなるシーンでようやく繋がった...

復讐の物語が好きなのでどんな結末になるやらとドキドキ読んだけど、想像以上に皆死んでしまった......ハムレットは復讐のため狂気を装ったけど、結果その狂気に己も飲み込まれてしまったように思えた。「いつかの亡霊は悪魔の仕業かもしれぬ」とハムレットは言ってたけど、ほんとに父上じゃなくて悪魔だったのかもな...と思えるエンドでした。

それと、福田さんの巻末解説が良かった!
シェイクスピア劇を演じる役者は脚本に書かれたセリフや行動から帰納してハムレットを演じるのではだめだと。
そもそもシェイクスピアの時代では張出し型の舞台だったから、今よりも観客が劇の主体だった。観客の心理的欲求を満たすため、ハムレットが性格上どう振る舞うかということに注力するより、その場その場の演出効果を最大にすることが、シェイクスピア劇においては大事だと。
その結果ハムレットの性格や行動に矛盾が生じるかもしれないけれど、元来人の性格や行動性に矛盾がないなんてことはあり得ないから、それでよいのだと。

「あの人は善人だとか、人情家だとか、そんなふうに割り切れるものでしょうか。いったい私たちに性格などというものがあるのかどうか。あったにしても、それが、一定の期間に一定の相手との間に生じる言動のうちに、単純に現れるものではありますまい。」
という考えがここ数年私がぼんやりと考えていることに近しくて「そうだよなぁ!!」となった。物語を、劇を、そのまま受け止めたい。合理的ですべてに理由があり意味があると考えるのは、かえって目の前の事実を歪めることになるのでは.......

あと、シェイクスピアの頃の劇とギリシャ劇だとまた何か色々違うのだろうから、いつか色々知ってみたいな〜
円形劇場というものがだいすきなので!!

それにしても、まぁ、性格劇ではないからと言われたらなんも言えんのだが、クローディアスが前王を殺したと思えないほど終始いいやつだった感....母上も...オフィーリアも...ポローニアスもレイアーティーズも...なんか....皆いいやつで....ハムレットだけが狂っていたような........

あと、デンマーク国民史にのってる悲劇とほぼ筋書きが同じだということで、そのあらすじが確かにシェイクスピアのハムレットそのままだったので驚いた。あまりに戯曲方面を知らなかったので元になった話があるとかも特に考えてなかったけど、そうか、大体そういうもんだよなぁ

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

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シェイクスピアの四大悲劇は教養かと思い、読んだ。
読む前は難解なんだろうなと思っていたが、実は読みやすい上に面白かった。
だが、真の意味で読み取れてないという思いはずっとあった。

父王の亡霊から自身を殺した叔父に復讐するように言われたハムレットが、なかなか叔父に復讐しなかったのが、不思議に思ったが、これは当時の復讐劇のマナーらしい。
復讐をすぐに実行せず、あれこれと策略した結果、主人公が死に至るというのが当時の物語の流れらしい。

さて、この物語では父親殺しが2回起こる。
父王殺し以外に、ハムレットと恋仲にあるオフィーリアの父をハムレットが殺してしまう事件が作中で起こる。
この殺人を機にオフィーリアの気が狂い、その兄のレイアーティーズが叛逆するようになる。
ハムレットとレイアーティーズが父の仇を取ろうとするのは、その時代に特有な精神であるのか。

最終的に、ハムレットとレイアーティーズが決闘して、その最中にデンマーク人の多くが殺され、イギリスにデンマークが乗っ取られてしまう。
これはまさしく悲劇であろう。

私が今まで読んできた悲劇は大抵個人的な悲劇で終わる。
しかし、ハムレットは個人だけではなく、国家が悲劇に終わる。
これは今まで会ったことのないパターンのため、新鮮だった。
個人に対して起こった事件が国家の崩壊に繋がる展開も論理があった。論理の飛躍がなかった。

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2022年07月05日

Posted by ブクログ

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父親の復讐から始まる悲劇を描いた作品。
ハムレットの復讐心による行動で何人もの人の心を傷つけてしまい、ハムレットが素の心を取り戻し憎んだ人を許す頃には死という別れが来ている。ハムレットが復讐のために錯乱状態になることやハムレットの彼女を振った理由など解釈しきれなかった部分があるため、もう一度読み返してみる。答えが出ないかもしれないが、登場人物に感情移入しながら解釈を楽しみたい。

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2020年11月19日

Posted by ブクログ

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1人で復讐をやってのけようとしたハムレット… もう少し誰かに頼れば、自身の命も恋人も失わずに済んだのかもしれないと思ってしまった。

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2022年04月07日

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