あらすじ
自分を不器量だと思い込んでいるベスは、恋をあきらめ、経営する乗馬学校をひとりで切り盛りしていた。そんな彼女に、馬の買いつけのため訪れた異国で出会いが待っていた。長い黒髪を革紐で束ねた男性が子馬を引いて競売場に現れると、ベスは息をのんだ。すばらしい馬に、強烈な印象の男性――。気性の激しいその子馬を見事に馴らしたベスは、持ち主の男性アザイアの目にとまり、彼の城へ招待される。モロッコの王族である彼が女性を招くとき、それはベッドへの誘いを意味することも知らずに、ベスは子馬を買いたい一心でアザイアについていった……。
■セクシーでテンポのよい作風で人気のミランダ・リー。灼熱の砂漠を舞台にしたロマンスはセクシー度もアップして、恋のスリル満点です。恋愛には縁がないとあきらめていたヒロインが、ヒーローの手練手管に翻弄され、情熱の火をかき立てられてしまいます!
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Posted by ブクログ
文句なしに面白かったです。
ひと息に読めました。
ヒロインのベスは並の女性よりも上背があることをコンプレックスに思っていました。また、その他にも男性との関係についても、自分は普通ではないのだと悩んでいました。
そんなところに颯爽と現れたヒーローは王族で、しかも大富豪のイケメン。乗馬学校を営むベスは優れた子馬欲しさに、彼の祖国モロッコへの招待を喜んで受けるも、その裏にどんな思惑か隠されているかも知らずに―。
結果として、相手側、つまりヒーローのアザイアには男性としてのはっきりとした下心と欲望があってベスを招待したわけですが、慎み深いベスはそんなことなど考えもせずに、彼の申し出に従っただけでした。二人の思惑の食い違いから生じる対立、彼を懸命に拒もうとするベスをあるときは優しく甘く、あるときは強引に誘惑するアザイア。彼のあまりにも女性慣れした「俺様」オーラにはいささか引くものの、基本的には彼は公正で優しい人なので、安心して読みすすめられます。
何より女性に手慣れたアザイアに強く惹かれつつも、慎み深さを失うまいとするベスの人柄に好感が持てます。
ラスト、あっさりと背を向けたアザイアとひとたびは別れながらも、引き返して彼の腕に飛び込んだベス。それまでの慎み深い彼女からは予測のつかない思い切った「逆プロポーズ」には思わず拍手喝采でした!