あらすじ
絶望の老人社会を告発する、硬骨の社会派ノンフィクション!
近い将来3人に1人が高齢者となる日本では、老人をめぐる状況が凄まじい勢いで悪化している。それも貧困層ばかりか、中流層も「地獄」へ引き込まれようとしているのだ。
たとえば……
・全国各地に「無届け老人ホーム」が増加。古い空き家で、同じ部屋に男女を雑魚寝させる「お泊りデイ」施設も。排泄物の臭気が充満する不衛生な環境で、ノロウイルスが蔓延したり、転んでケガするケースが続出。それでも「安い料金」が魅力となり、入居させたい家族は後を絶たない。
・北海道には「老人下宿」なるものが増えている。狭い部屋が与えられ食事が出るが、経営者が逃げてしまい、入居者が突然放り出される例も。
・特別養護老人ホーム(特養)を経営する社会福祉法人のなかには、濡れ手で粟のボロ儲けをし、まさに「老人食い」で肥え太っているものもある。政治家の介在が見え隠れするケースも。
・介護計画を立てるのはケアマネージャー(ケアマネ)。ところが、ケアマネが特定の施設にカネが落ちるよう誘導し、入居者が無意味に高い料金を払わされるケースも多発。
・未婚率の上昇とシングルマザーの増加により、低所得の独居高齢者は激増。年金をきちんと払っていても、年金基金が破綻し、実質無収入となる老人も増えている。
・国民健康保険が払えない低所得の老人たちから、無慈悲な「強制徴収」に踏み切っている自治体も
団塊世代が後期高齢者入りする2025年以降は、もっと悲惨な現実が待ち受けている。はたしてわれわれは自分を守るためにどうすべきか? そのヒントが本書にある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
少ない収入から、国民健康保険代、税金など何万円と毎月徴収される。厳しい節約生活を余儀なくされる話が自分にも当てはまり身につまされる。それでも生きていかなければならない。
Posted by ブクログ
20170809 誰もが幸せになるために努力して来た結果だとするとあまりにも切ない。国のあるべき姿は時代で変わって良いと思う。そろそろ、50年先のあるべき未来に向かって行動していく時だと思う。必要なのはその絵を見せてくれるリーダーだと思う。戦後からの脱却、過去を見てる限りこの国の未来は悲しい絵にしかならないのではないだろうか。
Posted by ブクログ
元々、朝日新聞の連載だったもので、連載当時から話題になっていた。公的な介護制度の落とし穴や悪徳介護事業者の実態について述べている本。全国紙ならではの取材力を使った細部にわたるデータの数々には感心させられる。老後や介護について興味があるなら、一度読んでおいて損はないと思う。
Posted by ブクログ
20160611
現在の日本の社会問題として、老人の貧困があげられる。
その問題に朝日新聞の記者たちが切り込んだ。
老人を取り巻く環境は様々だ。
おもに、介護にかかる費用の高騰や、その劣悪な環境が問題とされている。
社会福祉を食い物にする者の存在や、杜撰な国保の体制。
こういった問題を明らかにすることが出来たことが、日本の社会福祉を良くするための一歩だろう。