【感想・ネタバレ】頼むから、ほっといてくれのレビュー

あらすじ

トランポリン競技でオリンピック出場を目指す五人がいた。少年の頃から勝利と敗北を繰り返してきた彼らに安直な仲間意識はない。夢舞台に立てるのは二人だけ。その現実が彼らの青春を息苦しいものに変えていく。自分との戦い、ライバルへの嫉妬、周囲の期待......選ばれるのは一体誰だ? 懸命に生きる者だけが味わう歓喜と孤独を描いた傑作長編。

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Posted by ブクログ

先日の『水曜日のダウンタウン』で、「どんなマイナースポーツも一度は漫画化されてる説」を検証していました。結果は、漫画化されていないスポーツもごくわずかながらあり。それでも、そんな漫画もあるのかと驚くほど多種多様。本の場合はどうなのかも検証してほしかったりして。

本作はトランポリン競技でオリンピック出場を目指す男子5人と、家族やコーチ、審判員などの、さまざまな目線から語られます。そもそもトランポリンがオリンピック競技に入っていることすら知らないぐらい、私にとっては興味の薄いスポーツだったのに、これを読んだら次からは確実にトランポリンに目が釘付けです。

同じ競技をしていても、家庭の環境だとか思い入れとかが全然ちがう。背負っているものがちがうのだから、速度がちがうのは当然、だけどいつか目的地にたどり着ければそれでいい、そんな言葉にうなずきました。夢はあったほうがいい。

どうでもいいことですが、しりとりで「レモンの皮」とか「うどんのつゆ」とか言うのは反則やと思う(笑)。

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2018年04月30日

Posted by ブクログ

トランポリンという、日本でトップクラスの実力を持っていても、スポンサーもつきにくく現役続行が難しい競技に関わらず、そのなかで純粋に高みを目指す彼らの姿に心奪われた。戸惑い、嫉妬、様々な感情があるが彼らはトランポリンが好きで、関わり続ける。まっすぐって素敵だ。

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2017年05月21日

Posted by ブクログ

それで何年にもわたる練習成果が1回17秒間で10回の連続技の演技で決まるスポーツ、トランポリン。演技途中で体勢を崩して危険と判断されれば、コーチの一存でスポッターマットを入れられ中止させられる競技。
スポーツ小説ですがスポ根ではありません。
オリンピックを目指す5人の選手。当然、途中で離脱せざるを得ない人間も出ます。勝つために無理をして試合中に技の難度を上げ、結果的に体勢を崩してスポッターマットを入れられる。挫折と言えばそうなのですが、むしろ覚悟の挫折という感覚です。
スポーツ物は、なんか中にガーッと入り込んで描く感じが多いのですが、この作品は比較的冷静に外から描いているのが特徴です。その分、人は上手く描けていると思います。

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2016年05月15日

Posted by ブクログ

これは面白い。
トランポリンというマイナー競技に焦点をあてて、マイナー競技ならではの難しさ、オリンピック枠を巡る争いと其々の事情、思い。
初めての作家さんだったが、色んな本を作家読みしたくなりました。

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2015年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1 一九九六年
安井明美
四十歳。保健の外交員。昔好きだった人と浮気をして離婚。

安井順也
十歳。明美の一人息子。

白井優太
十歳。順也と同じトランポリン教室に通っている。年齢別選手権の十歳から十二歳の部で準優勝した。

山岡義和
コーチ。

野田遼
十歳から十二歳の枠で優勝した子。両親は体操選手だった。


2 二〇〇三年
青山諭
三十六歳。トランポリン協会のナショナルチームでコーチをしている。

野田遼
十八歳。十歳の時に初めて全日本アンダー14に選抜されて以来、国立スポーツセンターでのナショナルチーム合宿に毎回やって来る。

安井順也
遼より一つ年下。数年前までは平凡な選手だった。

松重慎司
十七歳。そそっかしくて、落ち着きがない選手。

細川洋充
目立ちたがり屋の関西人。大阪在住。

石丸卓志
洋充と同い年。山形在住。

赤羽佳那
新体操の有望選手。

石川佳子
新体操のコーチ。四十代後半くらい。


3 二〇〇三年
野田遼
十八歳。佳那とは、アンダー18の日本代表合宿中にメルアドを交換していた。

赤羽佳那
おとなしそうな第一印象は、遼もろタイプ。


4 二〇一〇年
石丸卓志
十九歳。

細川洋充

野田遼
今は食品会社の営業をしている。

青山諭

安井順也

松重慎司


5 二〇一〇年
細川洋充
十九歳。

石丸卓志


6 二〇一一年
尾崎敬寛
四十五歳。審判。

安井順也

松重慎司

青山諭
陰で青鬼と呼ばれている。


7 二〇一一年
松重慎司
二十四歳。

柳沢国徳
コーチ。

安井順也

石丸卓志

細川洋充


二〇一二年
安井順也
二十五歳。

細川洋充

鈴池進吾
広報。

青山諭

小川敦子
事務局スタッフ。

野田遼

石丸卓志

松重慎司

山岡

金子雄一郎
順也の父親。


二〇一二年
細川洋充
二十一歳。

杉本保夫
医師。

矢沢昇
大学のコーチ。

広瀬里沙
大学のバドミントン部。


10 二〇一二年
石丸卓志
二十一歳。オリンピックに行けないと判明し、親のコネで内定をもらう。

大友一臣
卓志の職場の先輩。


11 二〇一二年
安井順也
二十五歳。

青山諭

山岡


12 二〇一三年
鈴木睦美
二十二歳。新入社員としてトランポリンきょうかいで働く。広報。

鈴池
睦美のたった一人の上司。

安井順也

石丸卓志

高橋
コーチ。

青山諭

鈴木光
睦美の父。睦美が生まれる一週間前に交通事故で亡くなった。元トランポリン選手。


13 二〇一三年
石丸卓志
二十二歳。

青山諭

安井順也

細川洋充


14 二〇一三年
安井順也
二十六歳。

金子雄一郎
高校で数学の教師をしている。

安井明美


15 二〇一五年
松重慎司
二十九歳。

柳沢国徳

尾崎


16 二〇一六年
細川洋充
二十五歳。

広瀬里沙

松重慎司

石丸卓志

前原正夫
テレビ局スタッフ。

柳沢


二〇二五年
野田遼
四十一歳。

赤羽佳那

細川洋充

安井順也



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2025年01月09日

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