あらすじ
愛書家であった父を亡くした少年・リュカは、
パリの街でショーウィンドウに飾られた美しい本を見つけた。
そこで出会った本の装飾家、ステファン・ボッシュに連れられ、
製本家、ステファン・ルイの待つアトリエへと足を踏み入れる。
父が愛し、ふたりのステファンが生きる、製本と職人の世界に
すっかり魅せられたリュカは、彼らの工房に通い始める。
自分の居場所を求めて――
2011年にIKKICOMIXrareシリーズとしてスマッシュヒットを飛ばした表題作に、描き下ろしの新エピソード34ページ分を追加し、新装版として復刊。
少年・リュカとふたりのステファンにまた会える。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
書店にてジャケ買い。
リュカが少しずつルリユールを教えてもらいながらの挑戦、ボッシュとルイの静かな依存関係、3人が過ごす工房、美しいなあ。
リュカ(Luca)ってルカ(Lukas)ですかね。美術の聖人の名前。
本が人の手でつくられる過程はいつもわくわくします。
手になじませるため何度も表紙の厚紙を調整するルイの横顔がとてもきれい。
ものすごくフランスのノエルを見に行きたくなりました!
匿名
製本工房の物語
本を作るアトリエで、繰り広げられていく物語。
大人で先生の2人と、好奇心旺盛な主人公。
物作りは1日では終わらないし、忍耐も要るものだけど
こういう時間は宝物だなと思う。
Posted by ブクログ
製本工房の二人のアルチザン(職人)と、二人に製本を教えてもらう少年の物語。ものすごくいい。ルリユールや本や道具好きにはたまらない描写の数々!少年が製本道具を前にして目をキラッキラさせる気持ちにものすごく共感しながら読んでました。絵も好き。
Posted by ブクログ
素晴らしい作品。これはお勧め。父を亡くした少年が、二人の製本職人に出会って、創作する喜びを自分自身で味わう。緻密で繊細な絵がうっとりするほど素晴らしい。主人公のリュカの生き生きした表情を眺めていると、本当に温かな気持ちになれた。リュカは物語の最後で、まっさらな本をプレゼントしてもらう。その本はリュカ自身でもあるし、この物語を読んだ読者でもある。読者はこれを読むことで、本に対する気持ちを、もう一度新鮮なものにすることができるのだ。
Posted by ブクログ
フランスの装丁工房、職人とそこに見習いとなった男の子のお話。
絵のタッチの繊細さが、二人の職人の関係と見習いの男の子との関係を表しているようで、よかった。丁寧に作られ装飾される本。良かった。
Posted by ブクログ
製本職人のボッシュとルイのアトリエに通い始める少年リュカのお話。丁寧に丁寧に細部までこだわって作る職人たちの本への愛情が優しく伝わってくる。持ち心地、掌への馴染み具合など、本が読者へ与える印象を見えない部分で支える職人たちの心意気も素敵。また、登場人物たちがそれぞれ複雑な事情やあまりおおっぴらにできない事情を抱えているけれど、それらを無理に聞き出そうとせず、しかし突き放したりせずに支え合うという三人の絶妙な距離感もとっても良かった。
Posted by ブクログ
本を作る人達の心の交流を丁寧に描いているのだけど、この作者のバベルの最終巻がどうなるのかを期待してから合間に読んでいるので、物足りなさが半端ない。というか、こういうジンワリと良い話を受け付けなくなってきてるのかなぁ