あらすじ
黒い水中眼鏡をかけた女が、精神科医の前にあらわれた。ある朝、突然目が開かなくなってしまったという。自宅で発生した火事によって夫を失ったことが原因かと思われたが――。治療が進むにつれ、驚愕の真実が浮かび上がっていく表題作ほか、難病の妻の介護人として雇われた女性が、歪んだ夫婦関係に巻き込まれていく「ペンテジレアの叫び」など。サイコサスペンスの傑作全三篇を収録。
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Posted by ブクログ
逢坂剛の精神疾患を扱った短編を集めたもの。
1本目「水中眼鏡の女」は所謂アレもの。共感できる人物が一人もおらず、何かと性欲に任せて行動する登場人物達がバブリーというか時代感。嫌いじゃないがただ手法を見せるための話。
2本目が一番良かった「ペンテレジアの叫び」。ミステリらしい正当な騙しの手法が使われてる。が、一部は同じくアレもの。主人公の良妻らしい天然さで少し楽しめた。
3本目「悪魔の耳」よく考えたらこれもアレ。前2作の整然さに比べかなり強引なオチ。
Posted by ブクログ
精神疾患をテーマにした中編サスペンス三作。「悪魔の耳」は出来過ぎな感があるが、どれもとても面白かった。表題作にどんでん返しがあると知って読んだが、それでもやはり騙された 笑。黒く塗られたゴーグルを着けた女…ビジュアル的な掴みも素晴らしい。
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逢坂のはこれみたいな短編トリックが楽しい。
時間列と登場人物の台詞全部疑わないといられない。主人公が良い人とは限らない。必ず「そうくるか!」と最後に思わせられる。
Posted by ブクログ
性描写が生々しい。水中眼鏡の女:夫が焼死したショックで目が見えなくなった女が精神科で治療しその担当医と結婚。不倫しているのは前の夫だと思ったがその担当医で、その後女が正当防衛で焼き殺す。前の夫だと思って読んでいたのが担当医だとわかったときはびっくりした。ベンテジレアの叫び:初恋の人が独身ということにショックを受けた人妻が歩けない口聞けないふりをして精神科(初恋の人)と逢い引き、最終的に夫を殺そうとしたけど、夫が気付き初恋の人と妻両方を殺す
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メンタルを病んだ患者をめぐるサスペンス。
三つの短編小説。
迫る恐怖の描き方が上手い。読んでてハラハラした。
ただ、オチが強引。
・水中眼鏡の女
火事が原因で心因性の視力障害に陥った未亡人が精神科の医者と恋仲になる話。
・ペンテジレアの叫び
大学の教授に家政婦として雇われた女は心因性の口がきけない奥さんの世話をすることになる。ある日、奥さんから「あの男は夫ではない」とメモを受け取るが…。
・悪魔の耳
五年前に逮捕した男が二人の刑事に復讐しようとする話。男は刑事たちの一番大事な存在を消そうとするが…。
Posted by ブクログ
『どんでん返しの書法なんて昔から変わってない』
面白がれる人間が増えただけなんだと思う。
夏目漱石を読んんだあとだったから、全てが新しく感じた。もちろん夏目漱石も明治の作品とは思えないほどみずみずしい作品ではあったけれど、やはり比べることはできないくらい、新しい。
良いとか悪いとかそういう尺度で語る物語ではなく単純にエンタメとして面白かった。
Posted by ブクログ
『ミステリーの書き方』という本で著者が
読者に対し作品を作るにあたっての参考本として、自らこの本を挙げたので読んでみた。
最後まで読んだけど、肝心の「なぜこの女はゴーグルを着けていたのか。外さなかったのか」が全く描かれていないのはなぜだろうと思った。
物語の引っ張りとしては面白い要素だけど、ちゃんとそこんとこ書き損ねないようにしないとね。