あらすじ
凶悪事件が後を絶たない状況を受け、日本政府が新たな法律を施行した。5人組――それは隣近所の5世帯が、犯した罪に連帯して処されるというもの。そんな中、5人組の班長に任命された来栖克明の隣に住む、真鍋老人が殺された。しかも、殺したのは同じ5人組の正体不明の人物。井辻という男らしく……。このままでは、ほかの5人組のメンバー全員が殺人罪に問われてしまう……。 ごく普通の平凡な生活から一変、ここから狂気の日々が始まった。近所を徘徊する不審者、来栖の娘に忍び寄るストーカーの影、謎が事件を呼ぶ、猟奇ミステリー。
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Posted by ブクログ
隣人同士の人間関係がギリギリのところで保っていたのに、共同責任の一言で見事なまでにぶっ壊れてしまったのが何とも言えないと思ったが、どうやら実際のところはプライドが許せなかったというわがままで起きてしまった出来事だと思うとオチも自業自得だと言わざる得ない。
一番守りたかったものこそ守れなかったのが皮肉だと思う。
それでも実際に成立しそうな法案でぞっとする。
途中からなんかおかしいし、ただのスプラッタになったと思ったら、オチを見て、なるほど納得。
ディストピア小説の設定としては面白かった。
Posted by ブクログ
5人組という連帯責任の法制度ができてしまった世界。
隣組の一人暮らしの老人が同じ隣組の人間に殺されてしまう。
犯人の井辻正巳は、あろうことか来栖と如月を恫喝し金を無心する。
家族を守るため、組長の来栖克明は如月孝一郎と協力して、井辻を殺すが、徐々に皆がおかしくなっていく。
疑心暗鬼に陥いっていく様と、いくつかの謎。
犯罪を抑止するための制度がかえって犯罪を隠蔽し助長するという狂気。