【感想・ネタバレ】すぐそばにある「貧困」のレビュー

あらすじ

ふとしたことから路上支援に携わることになった、20代にしてNPO法人「もやい」理事長の著者が、これまで相談にのってきた生活困窮者一人ひとりの人生を通し、日本に蔓延する見えない貧困の実態に迫る。 子どもや女性といったわかりやすいテーマに留まらず、一見自己責任に思えてしまう、だからこそ誰もが陥る可能性のある貧困にスポットを当てた衝撃のノンフィクション!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一晩で読んでしまった。
著者は、高校生の頃、現実から逃げるためにカラオケを歌いまくり持ち金を全て使い切り、次の早朝まで持ってる定期券で家に帰るまで、駅で過ごそうとした。そこにやってきたのはホームレスのおじさん。おじさんの親切で、一晩火のそばで暖をとり、食事ができる。「俺たちみたいになっちゃいけないよ」それって、、、。
長く気になって、フリーターとして働く合間に、友人の誘いでホームレスのボランティアを始める。
今では6人に一人が貧困といわれ、小学生の貧困は給食が唯一の食事という子供さえ現れる問題が多くなっている。貧困は貧困を生む。
ホームレスと一言でくくれない貧困の段階。その中で元気でいるうちはいいが、一度、病気になって働けなくなると。。。
1000人いれば1000ケースあるそれぞれの貧困。今注目されている一冊。全部ノンフィクション。

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2015年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても書きあぐねて書かれたという状態が伝わってくる文体です。それは内容の重さもさることながら、著者が本来文章を書くことを生業の一つとされていないことも大きかったのでしょうね。若い人の文章だなぁと感じました。
それが一層内容をリアルに感じさせられます。

タイトルどおり貧困は案外近くにあるものなのだなと思います。誰でも状況が変われば簡単に貧困になってしまう社会なのですね。その社会のあり方はたしかに問題です。

でも著者が「貧困」にどっぷりと関わってゆくことになったのは使命感でしょうか、興味からでしょうか。
私には興味から入っていったと映りました。そういう入り方もあるでしょう。

様々な事情から貧困になってしまった様々な立場の人々を描きながら、貧困に対してボランティアで立ち向かう人、行政の立場で対応する人もここには見えます。
その範囲内で出来るだけのことをしようとしてくれる人、あくまで決められたことをきっちり守ろうとする人、そこも様々なようです。
私はそちら側の、救済する側の人も気になりました。

例えば著者はまだとてもお若い。自分のポケットマネーで、貧困にあえぐ人の治療代を支払った著者もまた貧困への道筋を歩んでいるように感じられたのです。
こういう人がこの先苦しむようなことがある社会ではやり切れません。
彼の行き先はどこなのか、ということが一番読後に私は気になりました。

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2015年12月04日

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