【感想・ネタバレ】厳選ウイスキー&シングルモルト手帖のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年02月26日

 酒なんかただ飲んでいればいいようなものだが、それぞれの世界にはそれぞれの流儀がある。ウイスキーはまず香りをかぎ、味をみて、そして余韻をきく。
 そしてそれを一定の流儀のもと描写する。麦芽の甘い香りがなんていうのはいいほうで、梨の香りだとか、チョコレートの風味だとかバターの風味だとか、青リンゴだとか...続きを読むブドウだとかカラメルの味だとか。すべてウイスキー以外の食物が引き合いに出されるのが変だ。なぜウイスキーを描写するのにウイスキー以外のものを参照しなければならないのだ。だからって「ウイスキーの味」と言ったって始まらないのだが。そして所詮は主観なので人によって味の描写はまるで違う。
 新書判の本書はまずコンパクトで携行しやすいのが特徴。本書を持ってどこに出かけるのかは不明。バーで本書をみながら注文するのはあまりカッコよくないと思う。
 そしてウイスキーの五大産地、ジャパニーズ、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンを網羅し、シングルモルトだけでなく、ブレンデッドも取り上げているのも特徴。畢竟、銘柄は絞られており、ジャパニーズとスコッチに記述が手厚く、あとは扱いを軽くするなどでコンパクトさを保っている。選者3人がそれぞれにコメントを寄せ、フレーバーのチャートはRight / Rich、Smokeless / Smokkyの二軸で示されている。
 最初がジャパニーズ・ウイスキーなのもうれしい。サントリーなら山崎に白州、そして響、ニッカなら余市に宮城峡、そして竹鶴。キリンの富士山麓、イチローズ・モルト、マルス、あかしも取り上げている。しかもここだけ英訳付き。いったいどこの外国人が読むというのか、それは不明だ。
 しかしやはりスコッチが全体のほぼ半分の紙幅を占め、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンはオマケ程度。後者に至っては「アメリカン&カナディアン」と一緒くただ。
 レイアウトはすっきりしていて、代表的なボトルが示された各ページは楽しい。さて、本書を手に……どこに行くんだろうね。

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