【感想・ネタバレ】優しいサヨクの復活のレビュー

あらすじ

戦後の政治的経緯を振り返ると、いまこそサヨクの価値を見直すときが来たと思う。確かにサヨクは主流派にはならないかもしれないが、おかしいと思うことに声を上げてこそ存在価値がある。四十年ぶりに市民が戦争反対や憲法擁護を叫ぶようになったことには、大きな意味がある。……(第1章より抜粋)「戦争法案」ともいわれた平和安全法制をめぐって大きな反対運動が巻き起こった日本。なかでも学生たちを中心としたデモ活動は、日本社会に強いインパクトを与えた。彼らの素朴な感性が、国家を変えていく力になる、とかつて『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビューした作家は語る。暴走する日本政治、ないがしろにされる憲法……そんな時代だからこそ、一見周回遅れにも思えるサヨクが真の価値を発揮する。戦後日本において右と左の対立軸はどこにあり、それがどうねじれてしまったのか。日本国憲法を守り抜かねばならないほんとうの理由は何か。さらには厄介な隣国・中国との付き合い方から転換期を迎える資本主義の未来までを、評論家にも、政治家にも語りえない豊かな想像力を駆使して本書は描き出していく。本来ありうべき「もう一つの談話」までも収録した、現代を代表する作家による渾身の一作。

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Posted by ブクログ

反安保、反原発という立場で、反阿部政権の立場で書かれている。心情的には同意。
ただしPHP新書という枠での限界なのだろうか、根拠を示さぬ個人的な思いもしくは通説の言いっ放しで、内容的には酒席の放言に過ぎない。提示する将来像の具体的な実現方法となると、まるでソローの森の生活のような物々交換の世界を理想とするような、ファンタジーに堕している。

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2015年12月17日

Posted by ブクログ

この本と同時並行で映画ポセイドンを観たばかりです。豪華客船ポセイドン号が航海中、信じられない高さの大波を船体の側面で受けて転覆してしまいます。舵を切りますが、間に合いませんでした。天地がひっくり返り船底が海面浮いた状態になりました。多くの人が亡くなりましたが、生き残った船長は同じように生き残った乗客にこの船は沈まないからこのまま救援を待つと船客に説明し安心させます。それを信じることが出来ず、構造上この船は沈むことを的確に予測し、残り少ない時間で船外への脱出を試みる人たちがいました。船長より自分の判断を信じる人、あるいはそう判断した人物を信じる人がいました。知識、知恵、勇気や行動力のある人、親子・恋人とこの先も末永く共に生きたいと強く願う人でした。逃げ出す自由があることと、サバイバルに必要な要素とは何かこの本と映画ポセイドンが同時に教えてくれたように思いました。

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2015年12月13日

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