【感想・ネタバレ】ロッパ食談 完全版のレビュー

あらすじ

1951年創刊の伝説の食べもの冊子「あまカラ」に連載された「ロッパ食談」をはじめて完全収録。ただおもしろいだけじゃない、「うまいもの」「食べること」への執念を感じさせるロッパエッセイの真髄。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

再読メモ。十数年前に本屋で見かけたこの本でロッパのことを知った。

戦前戦後に活躍する昭和のインテリ喜劇芸人、エッセイスト、舞台映画役者。

本作執筆時は戦後10年前後。戦争をはさんで勢いを取り戻す飲食店を食べ歩き、あれこれ感想が綴られる。戦前よりも店の数やジャンルの幅も広がったという飲食店事情や、店がどんなものを提供していたのかを知れるのは興味深い。

外来語の記述が今と違う メニュウ、レストウラン、ラヴィオリー、シュウ・クリーム、エクリア、カフエー、テレヴィ、チャップスティック、カッテージ(コテージ)。「チャップ」「カッテージ」が綴りの「オ」ではなく米国アクセントに沿った「ア」になっているのは当時の規範的記述だったのか、あるいはロッパの耳が良かったからなのでは?と推測してみる。
洋食店のメニュウが100円均一、富士屋ホテルのランチコース(メニューの画像があって心がおどる)が1000円、カフエのコーヒーは最低50円から、安さが売りの洋食屋が一品50円均一、ということは今(2025年)と比べて物価は1/6-1/10くらいだろうか。

戦前のことを「日本ゴキゲンなりし昔」として、この店、この場所はああだったこうだったと戦愛しく懐かしむ記述多いが、人生と芸の下り坂にあるロッパが、かつての人気絶頂の自分を重ねて偲んでいるようにもとれる。

P108 うどんのお化け
撮影所付近のうどんやの出前持ち氏の話「お化けうどん=具の全部のせ(おかめ、きつね、たぬき)」

P114 お作法の巻
「西洋料理を、食べ方・作法に疎いことから敬遠する人たちがいる」と聞いたという記述。落語「茶の湯」っぽい。

P261 昭和15年(1940年)

> 博多。昼食に、名物というより名所と言いたい、新三浦の水たきを、ウンと唸りたくなるほど、脈がドキドキ打つほど、食べました。骨をバリバリ噛むので、口の中から血が出ました。
しかし、水たきは、新三浦が世界一でしょう。

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2025年05月11日

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