あらすじ
「京都グルメタクシー」という、京都の街を走る一台の観光タクシーがあります。その名のとおり、京都の観光案内&グルメを一体化させたタクシー。ドライバーは元フレンチ料理人、という異色の経歴をもつ岩間孝志さんです。本書では、そんな岩間さんがこれまでに京都で食べ歩きをした約2100軒の中から、選りすぐりの、京都でほんとうにおいしい87店を惜しげもなく紹介します。和食はもちろんのこと、元フレンチ料理人だけに、絶対おすすめの「京都フレンチ」をはじめ、イタリアン、中華、韓国、ベトナムなどの各国料理、そして、街歩きに疲れたときにほっこり一休みできる喫茶&甘味処、京都人が普段使いにしているお店や、京都観光帰りの列車で味わえる「京の味」まで……幅広いジャンルで京都を味わい尽くせる一冊です。各メニューの解説はさすがのプロ目線で、読めば思わず食べに行きたくなること間違いなし! 京都で「おいしい味」探しに迷ったら、ぜひ手に取ってください。
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Posted by ブクログ
<目次>
序章 京都グルメタクシーとは?
第1章 京都でフランス料理を頂く醍醐味
第2章 京都だから、やっぱり和食を食べたい
第3章 京都で各国料理を味わう
第4章 京都人の普段使いの名店を訪れる
第5章 街歩きでほっこり一休みしたい
第6章 帰りの列車で味わう「京の味」
<内容>
京都グルメタクシーの岩間氏の第1作。先に第2作を読み、著者の経歴や研究熱心や様子などから、「この本は信じられる」と思い、第1作も購入。わかりやすいし、おいしさは伝わる。このタクシーで一度グルメ三昧をしてみたい!
Posted by ブクログ
著者は「京都グルメタクシー(登録商標)」の運転手。グルメタクシーとは、その名の通り、観光案内をしつつ、おいしいお店にもご案内しようという一石二鳥の観光タクシーである。客の要望に併せて、プランを立ててくれるという。なかなかおもしろいコンセプトで、名所近くのグルメスポットを知ることが出来て、しかもそこまで連れて行ってもらえる、というのは、時間が限られた観光客には効率的でもある。
私は本書で初めて知ったが、テレビなどを初めメディアにも取り上げられ、グルメ番組や記事のレポーターとして活躍したり、ミステリ・ドラマの主人公モデルになったりしているそうだ。
序章では、「グルメタクシー」が出来るまでの道のりに触れられている。元々はフランス料理のシェフを目指していたのだそうで、現地での修行経験もあり。帰国後は、半分は渡仏資金作りのために始めたタクシー業が案外と性に合っており、食べ歩きをしつつのドライバー稼業。
おいしいものを食べるのが好き、自分の知ったおいしいものをみんなにも教えてあげたいと始めたブログが人気になり、いつしか趣味と実益が結びついた「グルメタクシー」のアイディアが生まれた、というところのようだ。
なるほど、食べるのが好き、しかも料理の知識もばっちり、そして運転も好き、人とのふれあいが好き、となれば、最強のコンシェルジュ兼ドライバーというわけである。
本書では、「グルメタクシー」ドライバーがとっておきのお店を紹介する。
『京都しあわせ倶楽部』(編集主幹:柏井壽(作家))と称する新書シリーズの1冊である。
料理の写真もイラストもまったくなく、グルメ本としては地味な作りだが、いやいや、読んでみるとこれが結構おもしろい。
ブログが前身の文章はすっと入ってきて読みやすい。時々「♪」が入るのもご愛敬である。文章だけで料理の説明がこれほど出来るのか、というのにも感心する。どんな料理か思い浮かばせ、想像をかき立て、へぇぇ食べてみたいな、と思わせるのは、サービス精神の賜物だろう。
最も長い第1章は、著者自身も修行経験があるフランス料理。
京都と言えばやっぱり和食だよね、という第2章。
そして意外に多彩な各国料理を紹介するのが第3章。
第4章は普段使いの隠れた名店。
第5章ではあちこち歩いて疲れたら一息つけるカフェや甘味処。
そして最後の第6章は、帰りの列車でも京都グルメ、テイクアウトが出来るお弁当やパンである。
巻末には地図やお店の基本データもつく。
よく耳にする有名店、名前は聞いたことがある店、行ったことがある店も何軒か。総じて、お手頃価格で行きやすいお店が多い印象だ。もちろん、「一見さんお断り」なんてことはなさそうだ。
何事も熱意と研究。時間を掛けて、著者自らが回った店の紹介は、料理人としての経験に裏打ちされて楽しく深い。
カバンにも忍ばせやすいサイズ。京都観光のお伴にもよさそうな1冊である。