【感想・ネタバレ】2020狂騒の東京オリンピック 稼げなければ、メダルは獲れないのレビュー

あらすじ

新国立競技場のデザイン、建設費を巡る騒動の最中、東京五輪開催後に「新国立ジャイアンツ球場」として活用する案が浮上した。読売新聞グループが全面バックアップするも、永田町の主流派が猛反発、最終的に潰された。

経済合理性を無視してまで、新国立競技場を「国家のシンボル」に据える理由は何なのか。背景を探ると、そこには「国立競技場」に対して日本人が戦前から連綿と抱いてきたある想いがあった。

日本のスポーツ界は戦前から、「金もうけは卑しい」という価値観に囚われている。慈善事業として開催される甲子園や、観客に背を向け独自の哲学を貫く全日本柔道連盟。内紛を繰り返すスポーツ団体や採算度外視で赤字を垂れ流すスポーツスタジアムが、日本各地に点在する。米国スポーツ市場が約60兆円に成長したのに対し、日本はその20分の1の約3兆円しかない。稼げなければ、現役選手を鍛えることも、次世代の選手を発掘することもできないにも関わらず、である。

「日本のスポーツ界はいまだ戦時下にあり」――――。経済記者が正面から取材をして見えてきたのは、時代錯誤のまま身動きが取れずにいる日本のスポーツ界だった。弱体化が進む市場に未来はあるのか。スポーツを巡る日本の現状と課題、そして解決の糸口を「経済的観点」から分析したルポルタージュ。

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Posted by ブクログ

スポーツ産業の裏側と日本スポーツの問題点が明確化されており、導入にはもってこいの一冊。国立競技場の舞台裏も興味深い

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2018年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体的には性善説をベースにしていますが、私はゲスなので、勘ぐります。
採算性度外視の箱物施設は、壮大なマネーロンダリングかと。税金→建設会社→献金・天下り。各施設のトップに採算性を要求すると、経営能力の無さが露呈するので、公共施設・スポーツ=金儲けダメという建付けにしているものと。
陸軍省、厚生省系から文部省へとつながる学校体育。組体操というは軍事教練の残滓ですかね。教師にも頭を下げてお金をもらう概念が無いので、そこから派生するスポーツに採算性があろうはずもなく。公共性といいながら、利用しない人はとことん利用しないのが体育施設とも思うのです。つまりは、一部の人しか利用しないのに公共性?という意味です。

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2016年11月08日

Posted by ブクログ

文科省が発表した2025年にむけてスポーツ市場を15兆円にするという計画を考えていく上で非常に重要な課題が指摘されています。スタジアムはスポーツ体験の一丁目一番地であることはVRやMRが普及してくるまでは揺るぎないものであるはずなので、そこをいかにドル箱に変えていくことができるかが普及や育成に繋がっていくと改めて感じました。

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2016年05月21日

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