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Posted by ブクログ
糖質制限の有効性が気になっていたので読んだ本。
ふむふむなるほど、と思った情報は、1991年にカナダの臨床疫学者、ゴードン・ガイアットが提唱した臨床医学におけるエビデンスレベルの話。臨床医学の分野で、危険因子と病気発症の因果関係、および、治療法と治療効果の因果関係を証明するためには、実験や観察による裏付けが必要であり、この裏付け(エビデンス)にはレベルがあると言うことである。
具体的には、
エビデンスレベル1:無作為比較試験
いわゆる対照実験。ランダムに2つのグループにわけ、一方には研究しようとしている治療を行う。もう片方には異なる治療を行い、一定期間後に治療効果を比較して、介入の効果を検証する方法。
エビデンスレベル2:観察研究
病気を発症する原因に近づいた集団と近づいていない集団それぞれを一定期間追跡してデータを集め、病気の発症率が高い集団にたいする共通項などを探す方法。
エビデンスレベル3:症例対象研究
ある症例の患者に共通し、健常者とは異なる点を探す研究。
エビデンスレベル4:症例報告
臨床現場でこういう症例がありましたよ、と言う単なる報告。例えば、薬の副作用など。
それ以下のもの:専門家の意見、
さらに低いもの:動物実験、細胞実験
これは専門外のわたしにもわかりやすい尺度だったし、本書の一番印象に残った。専門家の意見が低いのは謙虚で面白い。
糖質制限については、ケトン体があまりに増えすぎると体全体のバランスが酸性に傾くケトンアシドーシスが起こり、命に関わるくらいの意識障害が起こってしまうことがあるが、健常者ではそこまで上がる事はまずない。かといって、ケトン体を体の中でどんどん作るべきというのはやや早計で、ケトン体を出すような極端な糖質制限(1日糖質60g以下)はまだ積極的にやるべきではない、というのが著者の見解。
Posted by ブクログ
糖質についての基本的考えがよくわかる本。糖質の取りすぎが体によくないということは、この本を読めばよくわかる。そのために著者は「ロカボ」食という、糖質をある一定程度に抑えた食事を提唱している。また、この本では「油はどんどん採るべきだ」とか、「人工甘味料のリスクは砂糖のリスクよりはるかに低い」といった、目からウロコ的な内容もあるため、非常にセンセーショナルな内容となっている。ただ、糖質の部分はさすがに専門的に研究しているため、かなりのエビデンスデータに基づいた説明がなされており、ほぼ間違いないことを言っているのだろうと思うが、油や人口甘味料に関しては、危険だという根拠がないというレベルにとどまっているため、この内容を鵜呑みにしてしまうと後で新事実が発見された、ということにもなりかねないと思うので、いずれにせよ採りすぎには注意すべきであるということに留意しながら読むべきである。