【感想・ネタバレ】国立がんセンターでなぜガンは治らない? 闇に葬られた改革のレビュー

あらすじ

日本のがん治療・研究の中核拠点とされる国立がん研究センター。
巨額の赤字を抱え、患者からは「がん難民製造工場」とまで批判を浴びていた組織を変えようとした男がいた。
しかし、めざましい成果を挙げていながらも、改革は途中で挫折してしまう。

なぜか? その改革の目指す先が、一つの独立法人の立て直しにとどまらず、日本の医療を大きく揺さぶる可能性を秘めていたからだった。

医師、官僚、政治家、製薬会社、そして患者のそれぞれの視点を織り交ぜながら、2010年から2年間にわたって行われた国立がん研究センターの改革の軌跡を描き出し、その先にある日本の医療政策の問題点を浮き彫りにする。

日本の医療の司令塔は、いったい誰なのか・・・・・・。

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Posted by ブクログ

人の命を扱うようなケースでも、結局まともなことに取り組もうとする人が、これまでの路線に乗って慣性の法則に従っている人々の抵抗によって潰されてしまうという、これまでも散々目にしたお話でした。
1984年生まれの著者の前田洋平さんがしっかり取材されて舞台裏を書き上げられた印象を受ける一冊です。
付箋は25枚付きました。

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2016年01月23日

Posted by ブクログ

国立がんセンターでの知られざる改革を書いた本。
病院の内部、命の値段を決めると言われる中協医、公営労働省、製薬会社、患者会と、色々な角度から取材されている。

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2016年12月29日

Posted by ブクログ

現場の意向を吸い上げるための審議会が、逆にどの立場の意見も遠ざけてしまう構造となっている。本来ならば医師や患者の代表は主体的に問題提起を行っていくべきなのに、限られた財源の奪い合いに終始し、地位に固執するため主体性がない。結果として、審議会が現場の意向を取り入れていくべきなのに官僚が作った政策を実行するだけのものになりさがっている。偏りすぎや行き過ぎに歯止めをかけるはずの審議会が中央の政策を後押しする機関となっている。国立がんセンター改革の頓挫の現場からこの国の医療の困難さを浮き彫りにする。

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2016年03月10日

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