あらすじ
【電子特別版・カラー画像多数収録!】赤穂浪士に始まり、歌舞伎や近松門左衛門の文楽、落語などに出てくる、江戸時代に日本各地で起きた様々な金銭がらみの事件や出来事。江戸文化研究家が、それらが描かれた歌舞伎、文楽、落語、浮世絵などを取り上げながら近代資本主義以前の江戸の経済について多角的な視点でわかりやすく解説する。豪商から貧乏サムライ、遊郭の遊女、賄賂に宝くじまで、お金をめぐる江戸の人間模様を通じて、資本主義の行き詰まりがささやかれる今、経済と金の実相を江戸に学ぶ。【目次】まえがき/序 金が敵の世の中――『忠臣蔵』が描いたもの/第一章 江戸経済の流れ/第二章 庶民の暮らし/第三章 商人の興亡/第四章 武士のふところ事情/第五章 江戸時代の金融と商習慣/参考文献
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Posted by ブクログ
徳川による軍事独裁(一種の絶対王政)を延命させる為、資本主義化しているのに資本主義に抗った時代が江戸時代(特に中期以降)。
となれば、資本主義化を深める重商主義を志向した田沼意次が異端とされ排除されたのも、ある意味自然な事。
Posted by ブクログ
本書は、江戸時代の「文化・経済・民情」を現代人にもわかるように翻訳した本だ。読みやすくわかりやすい。
なにしろ200年以上も前のことであるから、当時の書を見てもわからないことばかりだが、翻訳してくれることによりやっとわかるようになる。
これが何の役に立つのかと言う思いもあるが、このように日本の過去を知る事を「教養」と言うのではないだろうか。
200年以上続いた江戸時代が経済システムの変化に対応できなかったことはよく知られているが、現代のマクロ経済の知識による江戸期の経済政策への評価は実に興味深い。
ただ教養とは思いつつも「歌舞伎」や「友禅」については小生に知識も興味もない為にちょっと残念な思いも抱いた。
江戸期の政治・経済を批判的にみた本ではない。脳を休めると言っては失礼かも知れないが、何となく癒されぼんやりと楽しめる本であると思った。