あらすじ
トゥラン王国の騎士・ラファエルは、幼き第一王子・クリスティアンに永遠の忠誠を誓った。しかし六歳になったある日、クリスティアンが忽然と姿を消してしまう。必死に捜索するも見付からず、国中が諦めてもなお、ラファエルは一人で主を探し続けた。そして十一年後――ラファエルはついに「魔の森」で美しく成長した王子を見つけ出す。再会を喜び国に連れ帰るも、魔獣に育てられ言葉も忘れていたクリスティアンは、元の生活に馴染もうとせず、まるで獣のようだった。それでも変わらぬ忠誠を捧げ、献身的に尽くすラファエルに対し、クリスティアンも次第に心を開きはじめ…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
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面白かった、お薦めです。
あらすじに、ある通り、獣に近くなってしまった王子と
捜し続け、見つけた後は、仕え続ける騎士の純愛物語です。
獣に育てられたとはいっても、そこはファンタジーの世界。
とある謀略のせいで、小さい頃に森に捨てられはしたものの
女神の眷属である獣、森の主に育てられ、慈しまれ、言葉も教えてもらっていました。
それでも、棲みついた魔獣(良いのも悪いのも)も多く、生き延びるために
王子様は、かなりwildとなっています。
この、森の主の助言により、人の世、王子としての生活に戻っていくのですが
母とも父とも慕っていた存在に会うこともできなくなり
仲の良かった魔獣とも当然会えず、また、城での生活も辛く
王子様、暴れまくって、ガブガブ状態。ここ、切ない。
そんな王子様を,ガブガブされ血まみれになっても
必死に受け止め導き、尚続く謀略と誹謗中傷、すべての事から守り抜く攻め様。
幼い頃攫われ、こんな事になったのは自分のせいだからと。
この、尊い忠誠と純愛!
ただ、惜しかったのは、この騎士の想いに応えようと成長し王子然として振る舞うようになり
遂に謀略を暴く事になるのですが
その過程をもう少しみたかった。
後半、前半とはあまりにも違う王子様(立派すぎ)に、唐突な感じがしました。
上巻下巻にして、もっとじっくりと王子様の奮闘や騎士たちとの交流も描いてほしかった。
そこだけ少し残念でしたが、お薦めできる作品だと思います。