【感想・ネタバレ】ビジネス教養としての宗教学のレビュー

あらすじ

2006年刊のPHP文庫『世界四大宗教の経済学』をリニューアル! ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教という世界の四大宗教が、お金というものをどのようにとらえ、我々の経済とどう関わっているのかをわかりやすく解説した本。いまビジネスのグローバル化にともない、宗教が注目されている。しかし多くの日本人は、宗教オンチと揶揄されるくらい世界の宗教について疎い。家に仏壇を置き、盆には墓参りに行くのに、仏典の一つも満足に知らない。そんな日本人のために、まずは四大宗教の成り立ちから始め、それぞれの宗教の核心部分を興味深いエピソードで解説する。たとえば、「なぜユダヤ人は高利貸しのイメージがついたのか」「キリスト教の賃金の考え方」「イスラム教の高利貸し禁止と無利子銀行」「仏教における商業活動の禁止」などなど。宗教がわかると経済の裏側が見えてくる。日頃のモヤモヤした疑問もすっきり晴れるわかりやすい解説書。

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Posted by ブクログ

感服。
表紙もタイトルも堅そう…
なのに、
白取春彦さんにかかるとまぁわかりやすい。
宗教と経済がいかに深く関係しているかをガシガシと理解できた。歴史を学べた。
4大宗教のユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教と経済の関係。4つの章からなる。
プラス、ジャイナ教、儒教、ギリシャ宗教なども少し。

々長いが
まえがきをそのまま抜粋
(なかなかの名文で本書に食いつきたくなる)
と思う

本書は、世界の宗教と経済がいかに深く関係しているかについて書かれたものである。
宗教と経済はまったく別のもののようでいて、その二つは分離しているどころか、密接に関わり続けてきたからだ。
人が何か特定の宗教を信じるか信じないかで、あるいはどういう宗教が背景にあるかで、経済行為、要するにお金の使い方や利息の取り方、価値観などが大きく変わるのだ。本書でも説明しているが、そもそも貨幣が神殿との関わりで生まれてきているくらいだ。
金銭をどう扱うか、どんな物にどれくらいの価値を認めているか、何を商売としていいのか、税や利息はどのくらいにすべきなのか、といったことはそれぞれの宗教の倫理観から決められてきている。
現代の日本人の多くは宗教を軽視しがちだ。宗教など個人的な趣味や精神的アクセサリーにすぎないと思われてすらいる。あるいは、結局は妙な事件や戦争などを起こす遠因となるのだから、宗教など必要ないという意見もある。
しかし、誰が既成の宗教(この場合の宗教には、集金を目的とした新興宗教やカルトは含まれない)をどう思おうとも、宗教はすでにその人よりもずっと古くから存在しているのである。そして、人間の生き方と歴史に多大な影響を与え続けてきたのである。
現代のテロリズムにしてもそうだ。タリバン、ヒズボラ、自称イスラム国のIS、彼らの戦争動機や価値観の根底にあるのは何か。イスラム教という宗教だ。
では、イスラム教とは何か。日に五回の礼拝をして豚肉を食べないことなのか。テレビで簡単に紹介しているそんな見かけのことだけではないだろう。どういう神をどのように信じ、どんな倫理を持っているのかという中心部分を理解しなければ、イスラム教を少しだけ知っているとも言えないのではないだろうか。
おおかたの日本人はイスラム教をまったく知らない。たった一度でもコーランをめくってみたことすらない。だから、戦争や事件を貧困や経済問題だけで説明できると思ってしまう。しかも、自分には無関係のことだと思いこんでいる。
日本人はイスラム教どころか、キリスト教も知らない。ユダヤ教も知らない。あろうことか、家に仏道を置き、盆には墓参りに行くのに、仏典の一つの内容すら知らない。だから、なぜ坊主にお布施なるものを払うのかさえ知らない。因習の奴隷でしかない。
物事に対しても人に対しても同じだが、まずは少しでも知らなければ理解の入り口にはいたらない。理解できないならば、うまく対処できない。対処できない人は、相手に翻弄されるだけになる。それは道具として扱われることにひとしい。
そういうことがないように、本書では現代世界に大きな影響をおよぼしている世界的宗教の成り立ちとその核心部分をわかりやすく説明。世界のそれぞれの宗教についての今までのモヤモヤ感の半分以上は晴れるのではないかと思う。また同時に、世界史への理解が深まるだろうし、芸術や外国映画への造詣も少しは深くなるだろう。すると、理解の仕方も変わってくることになる。
後略

因習の奴隷……まさに……
理解してない→対処できない→翻弄される→道具として扱われるに等しい……まさに……

ここ、ガツンとくるポイント。
まさに、真の意味で、頭で考えてない。
を感じる。

宗教……やっぱり一歩引いてしまう
解釈の違いで分岐し過ぎていて、カルト宗教の怖さ。洗脳…

本来、理解しなければ、考えることもできない。

知らなければ、理解し合えない。
理解し合えなければ、摩擦が生じる。
争い。争い。争い。

さまざまな考え方を知る必要が、ある。

例えば、
コーランでは、
イスラム外の人からの掠奪を肯定している。
らしい。
「外」からの盗みの肯定……マジか…

後半の、儒教、仏教を読んでいてまざまざと感じる。
自分の、日本人の、根底に流れる倫理観…
影響を受けてるんだなぁ。
人は、生まれた環境、育った環境、時代……
それらの外的要因に、いかに影響を受け、何かしらの偏った考え方の傾向を持っていることか…

やっぱり、
教育、学び、理解が必要かを痛切に感じる。

もっと読め!

世界を
宗教を哲学を歴史を、今を
知らなければならないと痛切に感じる。

0
2025年07月18日

Posted by ブクログ

4大宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教)の、主に経済面についてのトピックスをまとめた本。
変わった切り口で面白かったが、途中からちょっと眠たくなってしまった。

0
2018年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、ジャイナ教、儒教、ギリシャ神の教えがお金(富、利子、商いなど)をどのように捉え、律しているのか。
文化のベースにある宗教を通じて、金銭観や商売、豊かさの志向が見えてくるところが興味深い。とはいえ、それは絶対的なものではなく、底流にある傾向的なもので、個々人すべてに当てはまるという読み方をしてはいけないのだろう。
それにしても、日本仏教がオリジナルの仏教・釈迦の教えとは伝来の初めから異なるものだったという指摘には笑ってしまった。
15-219

0
2015年10月15日

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