【感想・ネタバレ】読んで、訳して、語り合う。都甲幸治対談集のレビュー

あらすじ

西加奈子絶賛! 『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』翻訳者、初の対談集が登場『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治が、作家、翻訳家、研究者たちと村上春樹から世界文学までを縦横無尽に語りまくる!さらに、語りおろしとして、芥川賞作家・小野正嗣との特別対談を収録。お互いの作品についてのコメントから、二人の学生時代までを本邦初公開!

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Posted by ブクログ

都甲先生の名前を初めて見たのは、2005年、未亡人の一年で。すごく大先輩な翻訳家と思っいたら、私より若かった…(笑)
翻訳以外で読んだ生き延びるための世界文学の時も、勝手に年上と思っていた…まあ、同世代、むしろ年下…
97年以降、なんとなく一途に柴田先生を追いかけて来たのですが、この年になり、新たな翻訳家的推しが登場した!という感じです。
対談集ですが、文学案内として、読みごたえあります。また、知らなかった翻訳家の方を知る機会にもなりました。

どの対談も良かったのですが、個人的には、読書案内として堀江さん、星野さん、藤井先生、翻訳家として岸本さん、生き方としていしいさん(笑)、同窓の雰囲気が羨ましく小野さん。
柴田先生や芳川先生、沼野先生と内田さんとの村上論、はまた別格に勉強になる対談でした。
いよいよ村上春樹を読まなくてはならないという気にさせられました。

やっぱりフルマーク。
マイノリティ、越境文学…
翻訳ものを好きな自分の根幹を、よくもわるくも揺さぶられました。
とても良かったです。
柴田先生とのちょっとしたやりあいも、うらやましく(笑)

堀江さんの次の言葉が心に残りました。
(以下引用)群像社のロシア文学の翻訳は、本当は全部買わなきゃいけない(笑)。一部の達人にしか読めないものを、僕ら素人に教えてくれているんですから。忙しくて、いつ読めるかわからなくても、とりあえず出会いのチャンスは残しておく。(P54)

ご自身を「狂気の読み屋」と。もう、ぜひともたくさん読んで紹介してください!

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

読みごたえのある一冊。
村上春樹の作品についての解説も多くて、読んでもいないのに読んだ気に(笑)。
柴田元幸先生から東大で学んだ都甲先生。
その当時は小沢健二も授業にいたとか。
とても良い時代だったんだなぁ。
学びたい欲が刺激される本でした。

まえがきも良かった。
今の学生たちに意見を聞いても、他人の考えを切り貼りする。それは彼らの意見を否定してきた周りの大人の責任だと。
心が痛くなりました。
若い子には、正解を出すことだけが正しいなんて思ってほしくない。
こういう先生のところで学べたら最高だなと思います。

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2024年06月27日

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