あらすじ
贖罪のために生きる吸血鬼のステフは、吸血鬼の亜種であるシュクと出会う。孤独さに涙したシュクを連れ出し旅をする中、ステフは彼の血を飲み、その手の温かさを知った。けれど故郷で露わになった過去は、今なお悲しみと悔恨でステフを苛む。そして、巡り会ったシュクの父が明かした真実は、思いがけずステフの願いを叶えるもので──。
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私も見つけたい?!
表紙の黒服の男に惚れて購入、ページ数は多いけれど美しい絵とゆったりと流れる風の様な話で、人の愛と業が低温で燃えているようなロードムービー的作品。心が洗い流された気分で爽快な読後感が味わえました。BL コミックに女性が登場するとチリチリするよな不快感を今まで感じたのですが、今回は気にならなかった…BL と言うより、一篇の詩又はレクイエムでした。
匿名
ユレカ=見つけた。
黒沢要先生、水の春以来〜2冊目だけど、イー話書くなぁ、大好きです。。。
ステフの風貌が、ドラキュラらしいドラキュラでカッコよかった。
やっぱり、吸血鬼はこうでなくちゃね。
トーンは白黒調だけど、とても静かな雰囲気で温かい救いのあるストーリーだった。
ステフが人間の家族との交流や、シュクを解放する為に、自らを差し出すシーンを見ると人柄が窺える。
たった一度の誤ちだったんだろな。
優越感の為に親友コレットを突き放した事で起こる惨事。
贖罪に一生を捧げた男が見つけた、シュクと生きる道。
んんんん、ここら辺は堪らなかった。
一方、純血と亜種の間に産まれた亜種のシュク。
父親を探して、ステフと旅に出て再会を果たす。
この人物、シュクの父がとても興味深かった。
何者でもない。何者なのか?
是非、スピンオフを!
そして、長い眠りについたステフ。
ここ辺りが、描かれていないのよ・・・
どれだけ眠っていたのか?
どこで、純血になったのか?
シュクは、亜種のまま?
この辺りは、想像におまかせだね。
太陽の光を二度と見ることは出来ないが、それでも2人が見つけたのは幸せだったな。
ニュアンス
BL、でいいのか?女性向きではあると思うけど、なんか…カテゴリがもったいない気がしちゃいます。
ダイレクトな描写なんてほぼ無いし、もっと広い読者層に向けてもイイんじゃないかなぁ…なんて。
読んでいる間中、とても心地良かったです。
薄い憂鬱が晴れることのない世界をさまようヴァンパイア達のお話。とてもノスタルジックな気持ちになりました。ヴァンパイアの能力の設定が細かいの、作風のアクセントになっていて良かったです。
Posted by ブクログ
▼あらすじ
吸血鬼のステフとシュクは、共に旅をする。贖罪のために死ねないステフと、復讐のために生きるシュク。旅の末に見つけたものは──?
***
吸血鬼モノが大好物な私にとってはまさに至福の一冊でした。
しかも嬉しい事に250ページ越えという大ボリューム!横から見た時の厚みが凄い!
ページ数は多いですが、本編はモノローグも殆ど無ければ小難しい説明も一切なく、淡々とストーリーが進んで行く為、凄く読みやすかったです。
気が付けばあっという間に読み終わってしまいました。
ただ、悪く言えばあっさり気味。ちょっと説明不足過ぎるなーという気も。
雰囲気で察して!って感じなんでしょうが、多少読み辛くなっても良いからもう少し説明が欲しかったなぁ。特にラストの展開こそ説明が欲しかった。
あれは結局、どっちも不死身の身体になったという事で良いのでしょうか…。
まぁ、ハッピーエンドならいっか!って感じですが(笑)
それにしてもステフがとにかく格好良くて萌えまくりでした…!
やっぱり吸血鬼はオールバックじゃないと駄目ですね!(笑)
強面なのに紳士で歌が上手くてお酒が弱いってところも素敵。
死にたいと強く願う自分を罰する為にあえて生き続けているっていう悲しい設定もイイ。
個人的にはステフの長い爪と鋭い目つきが堪らんと思いますはい(笑)
朝チュンならぬ夜チュンがあるだけでエロは皆無だし、正直BL度もかなり薄めなんですが、これはこれで良いな、って思ってしまうのはこの作品の雰囲気が全体的に凄く穏やかで上品だからでしょうか…。
エロが無くてもほんのりBLでも十分楽しめると思います。
それどころか何度も読み返したくなって、しかも読めば読むほど味が出る…そんなスルメ作品だと思いました。カバー裏も可愛いので必見ですよ!(笑)