【感想・ネタバレ】当り屋ケンちゃんのレビュー

あらすじ

プロの当り屋、赤木圭一郎は、今を去ること十年前、当り屋専門学院の講師、当り屋文左衛門が言った言葉を思い出した。「幻の少年カスパー・ハウザーを見た日、あんたは当り屋をやめなあきまへん」。そして圭一郎は見た、幻の少年が、車の前へ身を躍らせるのを……。場外馬券売り場のガード下からアンスバッハのしらゆきつもる公園へ。母と子の愛憎が交錯する悲しくも美しい妄想の純文学。戯曲「小指の思い出」原作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

表紙からギャグ。戯曲「小指の思い出」の原案。当たり屋ではあるもののケンちゃんは誰なのか。
小指とは大分印象が違う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

大昔に読んだ本。タイトルと蛭子さんの表紙だけに誘われて読んだが、あの頃の俺は、この話のことがまったく理解できていなかった。あれから俺も歳を重ねて、この話の面白さが理解できるようになったかと言えばそうでもなく。俺の理解力がないだけなのか、それとも元々それほど面白くないのか。少なくとも以前に比べて内容は理解力できた。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

当り屋稼業を10年生業としている赤木圭一郎は、カモとなる地位の有る人間を標的にするため、怪しい会社の社長粕羽聖子に目をつけた。しかし、相手の粕羽も名うての当り屋であった…。

ふざけたタイトルに、表紙が蛭子能収の血まみれの漫画。冒頭には短いエッセイのようなものが納められていて、これはひょっとして、エッセイ集だったかな?なんて思いながら読み始めたら、ちゃんと小説であった。

初めの方は当り屋同士の化かし合いか?という内容なのだが、中盤を越えたあたりで話がこじれにこじれる。伝説の当り屋カスパー・ハウザーに、指紋がオオミズアオに持っていかれてしまった凧屋。そして、粕羽聖子の精神の中の世界へと飛ぶ。

聖書の描かれる王の母アタリヤから、なんやかんやと夢の世界のようなものが描かれ、その描かれ方もなんというか、薬でもやってんの?というハチャメチャでデタラメなトリップ感覚。筒井康隆の小説を思い出す。

想像世界の魔女裁判と、現実世界の裁判が交錯し、粕羽聖子の想像の中の息子たち(増える)はどうなってゆくのか。

ハチャメチャでドタバタというのは、頭のいい人が描かないと破綻するが、頭が良いのだろう。破綻と狂気と正常が行き来する、非常に危なっかしい展開で、多くの人は頭を抱えるに違いない。

とにかく、タイトルが内容をほとんど表しておらず、野田秀樹の戯曲だからわかりやすいに違いないと気軽に手を出すと、火傷以前に話に入れないこと請け合い。

怪作。

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2021年03月15日

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