あらすじ
十二歳で唯一の肉親であった母を亡くした大森朔実は、施設に入ることを拒み、母と二人で暮らしていた家で一人、生活していた。そこに、母の弟だと名乗る賢一が現れ、一緒に暮らすことになる。穏やかな賢一に見守られ、二人で寄り添いあう日々は、裕福ではないものの小さな幸せに満ちていた。賢一と暮らすようになってから十六年経ったある日、国立大に進学し順調にキャリアを重ねてきた朔実は、研究のためドイツ行きを勧められる。しかし賢一と離れて暮らすことは考えられないと葛藤する中で、朔実は賢一への想いが保護者への思慕ではなく、恋愛対象としてのそれだと気付いてしまい……。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
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Posted by ブクログ
十二歳で唯一の肉親であった母を亡くした朔実。
施設に入ることを拒み母と二人で暮らしていた家で一人生活していた所に母の弟だと名乗る賢一が現れ…。
贅沢せず穏やかに十六年共に暮らしてきた2人。
朔実の賢一への思いが伯父としての肉親への愛ではなく、という事から無意識に逃げている所に朔実の将来の選択する事等から変化して、の流れが丁寧に描かれていて切なかった。
賢一が、の真実。
でも朔実は十六年共に生きてきた賢一が好きだと告げ、それを受け入れた賢一には「良かったね」しかなく。
これからは伯父と甥ではなく恋人、それ以上の大切な存在としての未来が幸あらんことを願います。