あらすじ
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昭和期日本の住宅学を切り拓いた住宅学者、西山夘三(1911-1994)が、戦後二度にわたり、端島を訪問調査し、カラーを含む住宅と生活の写真を数多く撮影していたことはほとんど知られていない。本書は、それら未公開写真を中心に、当時の調査レポートや資料を加え編集し、活気ある軍艦島の生活を誌上で再現。世界にも類を見ない、高密・高層炭鉱住宅群を、日常のくらしを見据えた視線で捉えた、貴重なビジュアル・ブック。
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Posted by ブクログ
廃墟となった現在だけでなく、住民がいた当時の写真が見られた事、三種の神器がいち早く普及していた昭和中盤だけでなく強制労働などについても触れられていて良かった。
Posted by ブクログ
長崎県の沖合にある端島――通称「軍艦島」に関する「写真+論文」集である。
紹介されている写真は,1952年と1970年のものがある。
また,収録されている論文は,上記の時のようすを、専門家が1954年と1974年に発表したのもので,それぞれ比較すると面白い。
軍艦島へは行ったことがあるので,そのときの記憶をたどりながら,興味深く見ることができた。
いまでは,もう廃墟なので,生活感などなかった――唯一,説明員が当時の写真を紹介してくれた――けれども,本書を読むと,島での生活が感じられた。
「閉じられた島で生活していた」「アパートがたいへん狭かった」「水の確保が難しかった」「ゴミはすべて海に捨てていた」「人肥は,ときどき取りに来てくれることもあった」「水のないプールで子どもが野球をしていた」「お寺は何でもありの全宗だった」「お墓は,近くの島にあった」などなど。
家族で住む労働者の家庭は,結構裕福だったようだ。狭い部屋には,ソファーや巣テレをまで並んでいる写真もあった。しかし,その一方では,ほとんど日の当たらない部屋に住む人たちもいて,島の中でも差別があった。
1974年,端島の炭鉱が廃坑となり,島民が島を出て行ったとき,新天地での生活はたいへんだったらしい。が,このあたりのことは,本書には書かれていないので,別の本も読んでみたい。
島全体が三菱の物であり,労働組合もいわゆる御用組合。それでも,少しずつ生活環境がよくなっていったらしい。